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音で心を整える

はじまりは静かな喫茶店

チッチッチッというガスの点火音。シャカシャカシャカと卵をかき混ぜる音。ジュ―ッとフライパンで卵を焼く音。これらの音は、とても小さく、ささやかだけれど、私の心を整えてくれる日常の音です。

きっかけは、ある喫茶店での出来事。予定よりも随分早く目的地に着いてしまい、時間をつぶすために、近くの喫茶店に入ることにしました。住宅街の一角にあり、一軒家の一階部分を改装して喫茶店にしているような、小さなお店でした。

OPENという札が下がっているドアを開けてみると、中は真っ暗。とても静か。閉まっているのかな?と思っていると、二階から「お待たせしました~」と女性が降りてきました。

電気をつけながら申し訳なさそうに、予約客以外は、パンとオムレツの軽食しか提供できないと教えてくれ、私はそれを頼むことに。女性は、奥にある家庭の台所ほどのスペースの調理場に行き、料理を作り始めました。

心を癒す小さな音

BGMはなく、店内には私一人だけ。とても静かでした。その時、調理場から、チッチッチッというガスの点火音が聞こえ、次にシャカシャカシャカとリズムよく卵をかき混ぜる音。ジュ―ッとフライパンで卵を焼く音が聞こえてきました。そして、私の前に置かれたグラスの中の氷が、カランと音をたてて少し溶けたのです。

それらの小さな音に意識を向け、耳を澄ましていると、不思議な感覚におちいりました。日常の疲れが溶かされ、気持ちがすっと整うのを感じました。以前、音に集中し、心身をリラックスさせる瞑想法があると読んだことをふと思い出しました。

心を整えるスイッチ

私はこの喫茶店での体験以来、自分の周りにある日常の音にも、意識的に耳を澄ますようになりました。特に慌ただしい朝の時間、子ども達のお弁当を作りながら、ガスの点火音や卵をかきまぜる音、そしてジューッと卵焼きを焼く音に意識を集中させると、不思議と心が落ち着き、満たされていくのです。

また、どこに意識を向けるかで、意外に簡単に自分の気持ちを整えることができるという気づきにもつながりました。これからも日常の中で自分の意識に気を配り、心を整えるスイッチを見出していきたいです。

今日も読んで下さり、ありがとうございました!

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