見出し画像

粕汁×スパイスカレーな「酒粕チキンカレー」:京都カレー製作所カリルの月替りカレー(2025年2月)

京都カレー製作所カリル。個人的に京都で一番美味しいと思うスパイスカレーのお店です。
カリルの毎月変わる月替りカレー、2025年2月は酒粕チキンカレーでした。

カリルの月替りカレー「酒粕チキンカレー」(2025年2月)

毎年2月は酒粕カレーが恒例となっているようです。酒粕カレーはその名のとおり、この時期に出荷される日本酒の新酒を絞ったときにできる酒粕を使ったカレーです。

去年までの数年間は酒粕牡蠣カレーで、大粒の牡蠣がゴロゴロと入っていて、それはそれは美味なものでした。
今年も酒粕牡蠣カレーかな〜と少し期待していたものの、蓋を開けてみると2025年は酒粕チキンカレー! あの牡蠣が食べられないのかと思うと少し残念でしたが、はじめての酒粕チキンカレーにも期待が高まります。

カリルの酒粕チキンカレー

というわけでいつも通りランチセット(ミニサラダ&ミニラッシー)がやってきた後に、酒粕チキンカレーが到着。

まずはメインの酒粕チキンカレー。酒粕といえば粕汁ですが、粕汁カレーはまさに粕汁とカレーを合わせたようなメニューです。鶏肉に加えてにんじん、ごぼう、お揚げ、こんにゃくなど、まさに粕汁な具材が入っています。一見カレーと合わなさそうにも思いますが、香りの強いスパイスの要素と、こちらも独特の風味がある酒粕が意外なほどマッチ。両方の効果で体もポカポカ温まります。
Instagramの投稿によると、円町にある島酒店さんから仕入れた城陽酒造さんの酒粕を使用されているとのこと。
上に散らされた(カレーに混ぜられているものもですかね)パクチーだけでなく、柚子の皮と小ネギも良くあっています。

副菜には、粕汁に入りがちで今回のカレーには入っていない里芋が使われています。南インドのクートゥのようなお惣菜です。和風な酒粕カレーにもばっちり南インド風の副菜が合ってくるのが面白いところ。また、トマトや玉ねぎ、大根、りんご(?)など生野菜が使われた、こちらもインドのカチュンバルのようなサラダが彩りとアクセントになっています。

カリルの組み合わせの巧さと、スパイスカレーのあいがけ問題

ところで、去年までとの大きな違いとして、メインの粕汁カレーだけでなくキーマカレーがトッピングされています。キーマカレーといえばカリルでは定番。月替りカレーの中にもキーマカレーがメインを張るものや、今回のように水分の多いカレーとの組み合わせで提供されるものもあります。特に後者のようなシャバシャバ系カレーとドライなキーマカレーとの組み合わせの妙は、個人的にカリルの真骨頂だと思います。それぞれ単体で食べても美味しく、両方を一緒に食べると1+1が3以上になるという魔法のようなバランス感があります。

スパイスカレーでよくあるあいがけカレーには、単に1つのお皿に複数のカレーが載っているだけで、それ以上の意味がないと思えるものも多くあります。中にはそれらのカレーを(一緒にトッピングされている副菜も含めて)混ぜて食べることが推奨されているにもかかわらず、何のマリアージュも生まれないことが多いと感じます。
その点、カリルのカレーは複数のカレーや副菜にメリハリがあり、組み合わせることによって生まれる相乗的な美味しさが考慮されていると思います。
これがカリルが他のカレー屋さんと比べて抜きん出ている点ではないでしょうか。

来月の月替りカレーも楽しみです。

先月の月替りカレー

2025年1月の月替りカレーは「カツカレー」でした。詳しくはこちら。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集