発達障害疑いの子を1歳半で保育園に入れた話。
私はサニーちゃんを1歳半で保育園に入れた。
当時のサニーちゃんは、検診で引っかかりまくり。
呼んでも振り返らない。
こちらの言ってることが全く理解できない。
そんな頃だった。
たまに利用していた認可園の一時保育は、彼女はお気に召さなかったようだった。
園の近くを通ると、必ずこわばった顔をしていた。
こんなに何もわからない子が、こんな顔をするのかと胸が痛んだ。
頼れる身内がいない寂しさと、働くことへの焦りと、子供の発達の遅れ。
この頃の私は、自分が思う以上に心身がギリギリだったと思う。
なんとかしなくては。
なんとか、この子を安心して託せるところを探さなければ。
そこで私は、その頃まだ新しかった少人数の認可外保育所で、アットホームかつかなり手厚いところを選んだ。
月額の保育料はお家賃並み。
そして我が家の夫は普通のサラリーマン。
その保育料は我が家には決して安くなかったが、その分私が働いた。
私が働いた分はほとんどそのまま保育料になり、もう働くために預けてるのか預けるために働いてるのかわけがわからなくなったが、それでも幼稚園就園まで2年半通わせた。
今思えばぶっ飛んだ安易で無謀な発想だったと思う。
娘が発達障害疑いだ!
じゃあ少人数の手厚い保育園に入れたら少しずつ集団に慣れるんじゃね!?お金!?ないなら稼げばいい!みたいな。
思い出して笑っちゃう、単純な発想。
とにかく人見知りが始まる前の、今のうちに入れなきゃ!という焦りもあり、入園を即決した。
(この時期の私、思い込みで焦りがちである)
保育室自体は、はっきり言って一目惚れだった。
田舎の古くて広い一軒家をそのまま保育室にした物件。
日当たりよく、小さな子供たちが駆け回れる自然いっぱいのお庭。
「みんなのおばあちゃんちみたいな保育室にしたい」と語る、優しい園長先生。
すてきすてき!ここしかない!サニーちゃんの集団生活デビューは、ここから始めよう!
…一目惚れといえば聞こえがいいが、これってADHDの衝動性がだいぶ入ってないか、当時の私よ。
そこでは0歳から3歳までのお友達がごちゃ混ぜになって遊ぶ。
入園したての1歳半のサニーちゃんは、3歳の大きなお兄ちゃんの、ド派手な遊びを毎日身近で見るのだ。
きっと彼女にとって素晴らしい刺激になるだろう。
1日の大半をお友達と過ごすという体験は、当時の彼女にとってどんなものだったろうか。
サニーちゃんのキラキラ保育園ライフの始まりだ!!!
…ごめんね。懺悔します。
本当は、あの頃のママは既に寂しさと不安に潰されてたんだと思う。
働きさえすれば、この不安が消える気がしてがむしゃらになっていた。
君のゆっくりな成長を、家の中でひとり、ゼロ距離で見つめ続けることがもうつらかったんだと思う。
君がこのままゆっくり成長することで、もう二度と仕事ができないんじゃないかとたまらなく怖かったんだと思う。
表向き、優しく手厚い保育室に入れて、少しずつ集団に慣れさせよう作戦。
実際には、親身で手厚い先生方、何でもするからこの子の育児を手伝ってくれという叫び。
結果的にこの試みは成功したと思う。
幼稚園への入園も非常にスムーズだったし、サニーちゃんはここでたくさんのことを学んでくれた。
先生方は大変親身に育児の相談に乗ってくださったし、君とママとの距離も適切に調整されたと思う。
最近、そこの保育室には発達障害疑いや自閉症の子が増えてきたという。
あの頃の私と同じように思ってるお母さんたちが、きっといるのかもしれない。
自閉症のサニーちゃんが、楽しく通いきった保育室。
一生忘れない、まだ親子として危うかった私たちに必要だった場所。ありがとう。