うつ病になるまでの話①
小さなサイン
小さなサインは出ていたなと、振り返ってみて思う。
私の勤めている企業では、おおよそ2年に1度、人事異動がある。
私は、新卒で配属になった部署に2年半在籍したのち、新たな部署への辞令が出た。異動があることは覚悟はしていたけれど、異動先はまったくの想定外で、他組織への出向だった。
慣れ親しんだ組織を離れてまったくの異業種へ転職させられるようなもので、それを「面白い!成長の機会だ」と捉えられる人もいるのだと思うけど、私はそうは思えず不安でいっぱいだった。
親や上司は「きっと、期待されてるんだよ」と言ってくれたが、私には身に余る、重い期待に感じられた。
部署異動当日まで重く暗い気持ちで過ごしていたが、前の部署の送別会の際、「出向を楽しんで。きっとあなたは、自分が思っているより、いろんなことができる人だと思うから。」という憧れの先輩からの言葉に励まされ、自分なりに頑張ってみよう!と切り替えて頑張ることにした。
しかし、新たな部署に配属されて初日、私の感じていた不安は的中することになる。
配属先は、とても小さな部署・少人数の割にひとりあたりの仕事量が多く、周りを見ているとみんなマルチタスクは当たり前で千手観音のように仕事をこなしていた。しかし、管理職は指示をするだけで、実際に手を動かしているのは下の人というのは暗黙の了解。
若手は私1人という環境で、女性も私を含めて数名しかいない。無表情・無口なベテランのおじさん職員に囲まれ、初日から「圧」のようなものをもうすでに感じた。
おまけに部屋も狭く、とても無機質な空間。
正直、ここで2年もやっていくのか・・・と思った。
実はこの頃からすでに、軽いめまいや動悸、不眠の症状が出ていたけれど、「風邪かな?」くらいにしか考えず、というより、新しい環境に慣れるのに一杯一杯で、症状に気付かないくらいに毎日を生き抜いていたように思う。
こうして、過酷な日々が始まった。
続く。。。
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