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仮面夫婦に捧げるバラード


「キミとの結婚生活を、終わらせたいんだ」

それは、こっちのセリフよ、あなた。

「いったい、どこに『ピリオド』を隠した?もう、教えてくれないか」

私は、手の中にある、黒くて丸い点『』を握りしめた。今、この『ピリオド』を渡してしまえば、あなたの都合のいいように、扱われてしまうだけ。

「ソファーの下、冷蔵庫の中、下駄箱の奥。そんなところにあるはずもないのに。どこを探しても、見つからない。わかった、ここだな?」

あなたは、薬棚まで、あさってる。

「いくら、色ツヤ、形が似てるからって、正露丸の中に、紛れ込ませてなんかないわよ」

私は、隠れて『ピリオド』を飲み込もうとした。


そこへ、やってきた息子。

「父さんを、自由にしてあげたら。ボクのことは、考えなくていいから」

優しい子に、育ってくれたわね。でも、これは、私のプライドの問題。



家中探しまくった、あなた。ジュエリーボックス、ひっくり返し、結婚指輪の箱を見つけたわ。 

「何だ?これ」

箱を開け、中にあった『』を見つめてる。

「『』は『繰り返し』の意味よ。毎回、ご苦労さま、あなた」

「どういうことだ?いったい、どこから繰り返すんだ?」

私は、そっと、歌詞の冒頭を指差した。

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