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カメレオン (1分小説)
カメレオンに赤い紙を見せたら、身体が赤く変色した。
緑の紙を見せたら緑、黄色を見せたら黄色に。
そこで僕は、水が入ったコップを持ってきた。
カメレオンの身体は、無色透明になった。
僕は、無色透明になったカメレオンを左肩に乗せ、彼女に会うことにした。
僕の彼女は、超完璧な美人。そしてセクシー。
カフェで、二人、向かい席に座る。
しばらくして、彼女が小さな悲鳴をあげた。
「えっ、なにっ!?いま、私、口元、誰かに舐められたんだけど。ヌルッとした」
口元からは、チャームポイントの「ほくろ」がなくなっていた。
僕の左肩で、クチャクチャと、そしゃくする音が聞こえる。
・・・やっぱり、つけぼくろだったんだ。
「他に、何か隠してるところある?」
空気が固まり、彼女の顔が青くなった。
カメレオンも、青く変わっていった。