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喜ばれるために

社会に出て勤め始めたころは、自分の仕事を必死に覚え、日々こなしていくことが精一杯だったこともあって、他の人の事なんかにかまっている余裕もなかった記憶しかない。


それでも特に問題なく勤められていたのは、他部門との連携をあまり気にすることなく、納期はあるもののマイペースで進められる業務内容だったからかもしれない。


その頃は一般社員だったため、部門間の調整も上司が全てしてくれていた事で、自分に任された仕事だけを考えていればそれでよかった。


やがて会社の方針でジョブローテーションを目的に、いろいろな部門を転々とすることになった私は、その時初めて自分の能力のなさに愕然とすることになる。


狭い世界でニッチな専門知識しか身についていなかったために、異動先の部門での業務に必要な知識が壊滅的に不足していた。


その為、異動後まもなく「足手まとい」の烙印を押され、毎日職場の人たちに迷惑をかけてしまい、怒られては家に帰って一人悩み、悔しくて泣いていた記憶しかない。


それでも毎日必死の思いで仕事を覚え、他部門の人と情報交換することで、少しずつ幅広い知識と「調整力」を身に着けることができた。


その甲斐もあって、なんとか部門内でも他部門の人からも、少しずつ頼られるようになっていった。


ある時、他部門の業務改善を任され、業務内容の分析・改善提案を考えて関係者を巻き込みながら、なんとか効率よくミスも出ない仕組みを作り上げた時は、その部門の人から「ミスも減ったし効率もよくなったから、残業時間も減って家族で過ごす時間が増えたよ」って感謝され、本当に嬉しくて「良かったですね」って笑顔で答えることができた。


「人の役に立てる」ことが、こんなにもやりがいがあって、相手も自分も笑顔になれることなんだと思った瞬間だった。


そしていま・・・ある時はお客様の、ある時は社内の困りごとを解決に導き、相手の「良かった」に変えられるよう日々努めている。

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「陽だまり」のnote
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