小4二男に料理を任せてみたら、親として成長できた。
「お母さーん!夏休みの宿題にお料理があるよ!」
1学期が終わるころ、学校から宿題の冊子やプリントを持ち帰ってきた二男が、帰ってくるなり私に告げました。
「え、4年生でお料理あるの?」
「そうだよ、ほら」
宿題の冊子の該当ページを開いて見せてくれる。
覗き込むとそこには、「白玉粉と豆腐を使ったみたらし団子を作ってみよう」という内容が、確かに記載されていました。
しかし、写真を貼ったり、感想を書く欄はありません。
「作ってみよう」というだけで、多分やらなくてもバレない程度のもの。
しかし二男は、「この宿題は絶対やる!」と心に決めていました。
理由を聞くと、「お料理やりたいから!みたらし団子大好きだから!」と言います。やる気に満ちて、目がキラキラしています。
私はついうっかり、「みんな、ホントにやってくるかなぁ」と口から出そうになりました。そんな言葉を何とか引っ込め、考えます。
(一緒におやつ作れるのも、あとわずかだろうな。やってみるか)
「じゃあ、一緒に作ろうね」
勉強の宿題が終わったら作るという条件で、約束しました。
成功に味を占めた二男
約束した時点では、1回限り、私も一緒に作業をしておしまいという予定でした。
実際一緒に作業をして、見た目も味も上手に出来上がりました。
「おいしい!また作りたいな」
二男も満足で、宿題は大成功でした。
しかし、これで終わらないのです。
翌朝、起きるなり二男が「みたらし団子を作りたい」と言い出しました。
(2日連続団子…好きだけど、ちょっときついぞ)
「作るのはいいけど、来週にしたら?少し間を置こうよ」
私は本音を隠しつつ提案します。
しかし二男は首を縦に振りません。
「ぼくひとりでも作るから、作りたい!昨日上手くいったから、きっとできる!」
妙に自信満々です。
どうやら、昨日の成功に味を占めたらしい。
「一人でやるっていったって、白玉粉も豆腐も使い切っちゃったよ?買いにいかなくちゃ」
「ぼく行く!買い物してくる!」
二男の意志は揺るぎません。
やる気にみなぎった様子。
(じゃあ、この機会に最初から最後まで一人でやらせてみよう)
「わかった。お母さん後ろからあれこれ言うかもしれないけど、買い物、お料理、お片付けを全部あなたがやるなら、作っていいよ」
私が決心し、二男は一人でみたらし団子づくりに挑戦することになりました。
買い物~お料理~お片付け
朝食後、スーパーの開店時間を待って、二男を買い物に行かせました。
「ただいまー!」
二男は無事、絹ごし豆腐と白玉粉を買って帰ってきました。
さっそく作業開始です。
道具の出し入れも、全て二男です。
私は聞かれたら応えるだけで、一切手を出しません。
生地の固さも、二男の判断で水を加えます。
私は遠めに見るだけで、確認しません。
手伝ってほしそうなそぶりを見せますが、私は一切手伝いません。
二男はぶつぶつと呟いて手順を確認しながら、危なっかしい手つきで火を使った作業もこなします。本人なりに気を付けているのか、火傷せずに乗り切りました。
最後、串に刺すのが面倒になったらしく、皿に盛り付けた団子にたれをかけて、無事に完成です。
「昨日作ったのよりおいしいから、お母さんもお兄ちゃんも食べてみて!」
私と長男に全力で勧めてくるので食べてみると、確かにおいしい。
前日より若干団子が柔らかいけど、悪くない。
「おいしくできたね」
私と長男が次男を褒めると、二男は鼻を膨らまして喜びました。
勢いに乗った二男は、調理器具と食器類の片付けも約束通りやりました。
床に少しだけこぼした粉の掃除も済ませ、無事に作業が完了です。
「ぼく、全部ひとりで出来たよね!うれしい!」
二男は喜んで報告してくれます。
「そうだね、よくできました」
私がそう言うと、二男はニコニコして長男と遊び始めました。
信じて任せる大切さに気付いた
上機嫌で過ごす二男に、つい私も笑みがこぼれました。
そして気づきました。
私も二男がひとりでできることが増えて、うれしいし、二男がたくましく見える。
ずっと幼いと思っていた二男も、仕事を任せられるぐらい成長した。
これまで、二男のポテンシャルを見誤っていたのかもしれません。でもやる気は人一倍あって、頑張る子。失敗するのも経験だから、色々体験させなくては。
二男に料理を任せたことで、私にも新たな学びがありました。
信じて任せること。
成長を加速させるのも親次第。
親の私も、今回は二男に教えられました。
子育ては失敗も多くて報われない日もあるけど、たまにはこんなご褒美みたいがあるから嬉しいな。
仕事を任せることを選んでよかった。
これからも二男には(もちろん長男もだけど)、仕事を任せて経験を積ませよう。
そんな決意をした、夏のひとときでした。