ラジオ体操で知るジェネレーションギャップ。
「えっ?ラジオ体操って何?」
ある日の午後、私がYouTubeでラジオ体操の動画を流しながら一緒に体操していた時のこと。学校から帰宅したばかりの二男に聞かれたのが、冒頭のセリフです。
「ラジオ体操ってやったことない?」
私はラジオ体操を続けながら聞き返しました。
「ううん、やったことない。知らないよ」
二男はきょとんとした顔で答えます。
思わず、私は愕然としました。当然のように知っていると思ってたのに、まさか我が子が知らないなんて。今の子はみんな知らないの?
考えたら気になってしまったので、5分ほど遅れて帰宅した長男にもすかさず聞いてみます。
「ねえ、ラジオ体操って知ってる?」
すると長男も、次男同様きょとんとした顔をしました。
「何それ?知らないよ?」
長男の答えに、私は心の中で反すうします。
ラジオ体操を知らない?知らない?
衝撃を受けた私は、忘れてるだけじゃないかと疑って聞き出しました。
「学校でやったのに、忘れたんじゃないの?」
ところが子どもたちの答えは変わりません。
「そんなことないよ。音楽は聴いたことあるけど、ラジオ体操を見るの初めてだよ」
なんと、子どもたちは本当にラジオ体操を知らないようです。
ますます気になった私は、少し考えてみました。
私が子供だったころ。
私が小学生のころは、夏休みの一定期間に町内会で集まって、毎朝ラジオ体操をやっていました。子どもにはスタンプカードが配られ、スタンプが全部埋まると、大量のお菓子をゲットできる特典付きでした。お菓子に釣られて、期間中必ず早起きしてはラジオ体操に通っていた私。同じ町内に住む同級生と競いながら、ラジオ体操に精を出していました。
さらに、私の通う小学校の運動会では、ラジオ体操が準備運動として採用されていました。当時は、運動会と言えば開会式から厳しい練習があって、入場行進も足がそろっていないとやり直しさせられるほど。
そんな厳しい練習は、準備体操にも及びます。動きを間違えるなんてもってのほか。左右を間違える児童がいるだけでも全体でやり直しです。
「全員、ピタッと動きを揃えろー!」
当時運動会を仕切っていた先生(おそらく体育主任)は、相当なスパルタ教師。動きがそろわないと指令台の上でブチ切れます。全員がきちんとできるまで、練習を終わってくれませんでした。
そんな経験を積んだ私は、なにも見なくてもラジオ体操が出来るほど身についてしまいました。ここまで厳しかったのは一握りかもしれませんが、皆様の中にも、似たような経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。ラジオ体操の音楽がかかれば、できる方もいらっしゃるはず。
今の子どもたちとラジオ体操。
しかし、わが子とラジオ体操を考えてみると、全く当時と状況が違います。
まず、夏休み中の町内会でのラジオ体操はありません。
町内会の活動自体が、コロナ禍を経て縮小されました。さらに少子化の影響で、学区内でも子ども会のない町内会もあります。
また、わが子の運動会では準備運動の時間がないので、ますますラジオ体操なんてやりません。授業でやったかどうかも聞いてみたものの、記憶にないと言います。
私が子どものころは当たり前のように接していたラジオ体操も、今の子どもには全く知られていません。ラジオ体操をする機会から、すっかり遠ざかってしまっているようです。
もちろん、学校の方針や地域差はあるかもしれません。あくまで、私が生まれ育って今も住んでいる自治体の話です。
時代の流れとは言え、子どもたちがラジオ体操を知らないと聞いて、私は少し寂しくなりました。
私の体力づくりとしてのラジオ体操。
現在私は、リワーク先の助言もあって、毎日14時にラジオ体操をしています。復職に向けて体力をつけるためです。うつ病になってからというもの、体力がすっかり低下してしまったので、なじみのあるラジオ体操で体力づくりを目指しています。
子どもにはすっかり知名度のないラジオ体操ですが、手軽に家でできるのはやっぱり魅力的。ほんの数分でも、運動の習慣化という点では私にとって大きな変化です。
ちょうど気候も涼しくなってきました。
ラジオ体操を習慣化させ、体力向上を目指したいです。