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【映画レビュー】ネタバレなしでスオミの話をしよう。

この記事は、三谷幸喜さんのドラマや映画が好きな私が書く、映画レビューです。あくまでいちファンのレビューとしてお楽しみください。

三谷幸喜さん脚本・監督の映画『スオミの話をしよう』を見てきました。

事前に、三谷さんの新刊『三谷幸喜 創作の謎』に書かれた『スオミの話をしよう』のページを読みました。その時、このフレーズが印象的でした。

今回の新作でやってみたかったのが”自分の演劇に一番近い映画を作ること”

三谷幸喜 松野大介『三谷幸喜 創作の謎』

演劇鑑賞回数が劇的に少ない私からすると、何のことかしらと思ってしまうところです。しかし、三谷幸喜さんの作品は長回しが多くて舞台っぽいとよく聞くので、今までの三谷ワールドが好きなら多分大丈夫だと思い、見に行きました。

結果、「映画というより舞台や演劇っぽい」という感想を抱きました。

登場人物一人ひとりのセリフが長く、会話がどこまでも続きます。ずっと誰かがしゃべっています。会話劇と言うとわかりやすいかもしれません。テンポよく進む会話と間が絶妙なのが私のツボにはまって、上映中は笑いをこらえてました。
どこか抜けていて頼りないキャラクターばかりだけど、憎めない。誰かにとても共感できるわけではないけど、みんなそれぞれ愛せるところがある感じがします。

セリフが長くても映画が成立するのは、出ている役者さんがみんな芸達者だからでしょうか。私の好きな役者さんばかり出ているので、余計にそう思うのかもしれませんが、演技合戦のような雰囲気もありました。役者の力を三谷さんが信頼しているからか、それぞれが生き生きと動き回ってしゃべっているように見えます。
個人的には、瀬戸康史さんが効いているように感じました。スオミの元夫や現夫5人にツッコミを入れながらとぼけた味を出してて、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のころから瀬戸さんに注目している私としては、大満足でした。

そして、主演の長澤まさみさんは、さすがとしか言いようのない存在感。三谷幸喜さんの、長澤さんへの信頼のようなものを感じるぐらいです。それほど、長澤まさみさんの色々な魅力が散りばめられていました。
三谷さんは本当に、役者・長澤まさみが好きなんだろうな。
ある意味この作品は、長澤さんの演技力と魅力にかかっていると言っても過言ではないぐらいです。三谷さんの期待にしっかり応えた長澤さん、素晴らしかったです。

三谷幸喜さんの作品が好きな方には、ぜひおすすめしたいです。

作品自体の面白さに触れてしまうとネタバレになってしまうので、あくまで役者さんの魅力中心で書きました。

一人で見に行ったから、誰かと作品について語れないのが悔やまれます。「○番目の夫、あれはないよね」とかしゃべりたい。あと、長澤まさみさんの魅力についても語りたいです。

以上、ネタバレを全力で避けた、初めての映画レビューでした。

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