見出し画像

あなたのために たまごやき

卵の価格が日に日に高くなる、今日このごろ。

それでも卵料理が大好きな我が家の面々のために、せっせと卵を買っています。毎週のように値札とにらめっこしながら、卵パックを買い物かごに入れる日々です。

卵料理の中で、家族全員が好きなのが卵焼き。特に、甘く味付けた卵焼きが一番好きらしく、お弁当のおかずには必ずリクエストされるメニューです。おそらく、鶏のから揚げとTOPを争うほどの人気じゃないかな。わが家の人気メニューTOP=お弁当に入れてほしいメニューなのです。

そんな卵焼き。子どもが具合が悪くて学校を休んだときに食べさせる、おかずの定番でもあります。子どもが学校を休んでいる日の卵焼きは、不思議と上手に仕上がるのです。なぜでしょう。ちょっと考えてみますね。

普段から卵焼きは作りなれているから、どうしてもパパっと手早く作りたくなってしまいます。私のせっかちな性格が災いして、雑な火加減で焦がしてしまうし、ひっくり返すときに表面を傷つけてしまいます。それでも、こだわらないと途端に大ざっぱになる私は、「ま、いいか♪」と気にせず食卓に出しちゃうのです。

なのに、子どもが病気になったときの卵焼きは、キレイに仕上がります。昨日も二男が学校を休んでいたので、卵焼きを作りました。ちょっと、昨日の卵焼きの写真を見てもらえますか。

焦がしていないし、焼き色も均一。写真からは伝わらないけどプルプルしていて、我ながら上手にできたと自画自賛です。うれしくてXにポストしようと写真を撮っていたら、療養中の二男に取られちゃいました。残念ながら、私は一口も食べられません。私だって、卵焼きが好きだから食べたかった!無念です。

それにしても、何でもない日の卵焼きと仕上がりの差が歴然としています。使う材料も、手順もいつもと一緒。何が違うのでしょう。

もしかしたら、子どもが病気の時の卵焼きには、私の「願い」が込められているかもしれません。「早く具合がよくなりますように」という願い。食欲があるならば、好きなものを食べて少しでも早く元気になってほしいと思って、心を込めて作るからかもしれないです。心がこもると、作業が丁寧になります。思い返してみると、いつもはいい加減な火加減も、今日はちゃんとじっくり弱火でした。

「心を込めて作る」ってよく聞きますよね。料理の心って、いつもと同じものを作っていても、作業ひとつひとつにこもるのかもしれません。少なくとも私の場合は、心を込めると作業が丁寧になって、仕上がりが大きく変わるようです。

じゃあ、いつもは心がこもってないかと言われると、必ずしもそうではないです。ただ、料理の段取りもあるから、慣れていることはつい手を抜いてしまいがち。ある程度形になっていればOKだと思ってしまうテキトーなところがあるので、あまり普段は仕上がりを気にしていないのもあります。心の持ちようで、大きく変わるものなのですね。自分でも正直驚きました。

考えてみれば、お店で食べるお料理の中にも、料理人が手間ひまかけて、心を込めて作ってくださるものがありますね。食べる人のことを考え抜いて作られた料理は、技術や味付け以上に美味しく感じます。あれも、心を込めて作ってくださった成果かもしれませんね。

料理人と私を並べるつもりは毛頭ないけど、心を込めて作った料理には、味や見た目以上に魅力があると思うのは、私だけでしょうか。料理を通じて、思いや願いが伝わる気がするのです。

そういえば、二男も卵焼きを美味しそうに食べていたな。二男のために心を込めて作った卵焼きは、どんな味がしたのかしら。やっぱり食べたかったな。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集