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漫画みたいな毎日。「私のお姉ちゃん。」
私には、6歳離れた姉がいる。小さい頃の6歳の差とは大きく、対等になど成り得ない関係だった。
いつだって知らないうちに弟は、兄の背中を追いかけるし、妹は、姉を背中を追いかけている。私もその中のひとりだと思う。
姉は私とは全く違うタイプだ。
些細なことにも、反応して笑ったり、驚いたり、忙しい。リアクションも大きいし、おっちょこちょいの部分もある。〈天然〉と言われることも多いようだ。
先日、初めて我が家に遊びに来るとこになったときも、ギリギリまで航空券を買っていないので、私が心配していると、子どもたちに、「お母さん、そんなに心配なの?お姉ちゃんは大人でしょ?」と言われたが、心配なのだ。
「あ、航空券、買えなかったの~涙」となるのでは?!とギリギリまで気が気でなかった。
航空券が無事に買えたと連絡が来れば、空港に無事に着いているだろうか?
飛行機に乗れたのだろうか?とLINEをマメにチェックしてしまう。
空港に着いたら着いたで、空港からのバスを間違えて、違う場所に行ってしまう可能性があるかもしれない・・・。空港に着いてから、我が家の近くへの高速バスへの乗り方も詳しくLINEで送った。バス停はここ、バスの時間はこの時間、逃したら1時間後だよ!と。
そんな私を見て、夫は、「相変わらず、甘やかしているねぇ。ばあや、だね。」と呆れつつ笑っていた。
しかし、心配しているのは、私だけではなく、姉の子ども、私の甥姪も同じ反応だったらしい。「ママ、大丈夫?」と言われて送り出されて来たそうだ。
今では、私と姉との関係性は良好だが、そうでないときもあった。
今思うと、親の対応が大きく影響していたと思う。母は未だに姉に攻撃的であることが多い。子どもの頃は、私を引いあいに出し、姉と比べることも多かった。私は親に認められようと良い子であろうとしていたし、姉は親に反発していた。
親がもっと配慮してくれていたら、私と姉の関係性は、もっと早い段階で良いものになっていたのでないかと思うことが度々ある。
二人暮らしをしていたときも、楽しいこともたくさんあったけれど、上手くいかないこともたくさんあった。
友達や彼と楽しそうにやっている姉をみては、私が居なくても姉は困らないのだろうと寂しさと嫉妬を覚えたのだと思う。今、思えば、私は親に求められないものを姉に求め、認めて欲しいと思っていたのだろう。
姉はいつでもインドアで自分の内側に引きこもりがちの私を心配していたのだろう。あそこに出かけよう、面白いところがあったよ、美味しいものを食べに行こうと連れ出してくれようとするのだが、そこは私のテリトリーではなく姉のテリトリーなので、姉と比べられている気持ちになったり、孤独感を感じるのだった。
気難しい妹をもって、姉も大変だったと思う。
すれ違いもたくさんあったし、誤解もたくさんあった。
「お姉さんと仲が良いんだね。」と誰かに言われる度に、胸の中がちょっとざわついて、素直に「そうなんです。」と言えない時代があった。
今、大人になり、別々の暮らしを営みながら思うのは、私の姉への憧れ、羨望と、嫉妬と、甘えたい気持ち、独占したい気持ち・・・様々な想いがあったということ。好きだけど、嫌いでもあったのだろう。
お姉ちゃんが大好きだ。
お姉ちゃんは、いつだって私の自慢。
可愛くて綺麗なお姉ちゃん。
「あの頃、自分が未熟でなければ、もっと楽しい時間を過ごせたのにって思うことがあるんだよね。」と、姉が私とのふたり暮らしを振り返って口にした。
でも、それは私にも言えること。
お互いに若くて未熟だった。親の影響をガッツリと受けて、その中で、もがき苦しんでいた時代。その時は、お互いに試行錯誤し、精一杯暮らしていたのだと今は思うことができる。
先日、4泊5日の滞在を終え、姉が自分の生活の場へと帰った。
子どもたちとたくさん遊んで、些細なことでたくさん笑って帰っていった。美味しいものを一緒に食べ、温泉に浸かり、久々に時間を共有した。
「子どもたち、よく育っているよねぇ。三人とも面白い。子どもたちの個性もあるけど、あなたと旦那さんの日々の積み重ねでもあるんだよね。」と言ってくれた。
食事に出かけた先で、たまたま知人に出会うことがあり、姉を紹介すると、「仲が良いのね、」と言葉を掛けられた。
「そうですね、仲いいですね。」
今、そこに何の言い淀みもない。
私とは違うタイプの姉。
美容が好きでお顔の手入れもしっかりする。
義理堅くて、面倒見がいい。
笑い上戸で美味しいもの好き。
ノリが良くて楽しいことが好き。
目立ちたくないのに、目立ってしまって怒られることも多々ある。
おっちょこちょいだけど、憎めない。
いつまでも可愛らしい、私のお姉ちゃん。
空港で泣きながらハグをした。
次は私が会いに行くよ。
お誕生日おめでとう。
私の大好きな曲。ハンバート・ハンバート「がんばれ兄ちゃん」
この曲を聞くと、何故だか涙が込み上げます。
私の姉ちゃんに贈ります。
ヘッダーはみんなのフォトギャラリー・fuwa fuwaftさんのイラストをお借りしました♪ありがとうございます♪
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