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「あきらめる」ことが、前向きな時もある。
昨日、歯科を受診しました。
「つぶやき」でも書いたのですが、
数日前から歯の調子が悪く、嫌だなぁ〜などと思っていました。
一昨日、夕飯時に噛み合わせた瞬間
ガリッ
嫌な音がしました。
歯科を受診したら、歯の根が割れていることがわかりました。
ガ~ン。
幼少期より歯の質があまり強くなく、歯医者さんにお世話にならない時期の方が少ないくらいでした。
歯ってホントに大事。
ちょっとの不具合で日々が楽しめなくなります。
サメやゾウには、歯が沢山あり次々と入れ替わると知った時には、心底羨ましい!と思いました。
サメの歯は獲物をとるときにこぼれ落ちても直ぐ次々と生えるように現在使っている歯の後ろに6列から10列もの予備の歯が、出番は何時か何時かと控えているそうです。
何らかの原因で歯が抜け落ちると、後ろに控えている予備の歯がベルトコンベアー式に前に出てきて、歯が無くなった部分を埋めてくれる。
ホシザメの歯は抜けてから10日で1列すべて生えかわるので、10年間で2万4千本の歯が生え変わることになるそうです。
生まれ変わったら、サメの歯を手に入れたい。
根が割れている、という事は、残された道は抜歯です。
私がお世話になっている歯科医は年配の男性です。いつも明るく、よい意味で細かくないので、その様子に救われます。
私に似てしまったのか、二男は、虫歯になりやすい傾向です。
母としては「自分の磨き方や食事の内容に問題があるのか」とか「ストレスが多いのかな?」とか多少なりとも責任を感じたりします。
ある日、先生に「3人のこどもたちの食事は同じなのに、二男だけ虫歯になりやすいのはなぜなんでしょうね〜?」と聞いてみました。
先生はガハハと笑って
「体質!体質!お母さん、よく磨いてがんばってると思いますよ!」
先生の笑い顔に、問題が解決はしていないにも関わらず、
「まあ、そういうこともあるよね〜」
と思えてきた自分に笑ってしまいました。
そのような、明るい先生による抜歯が「今日、抜いちゃいますか!」の一言で始まりました。
え?今から?
と思いましたが、先に伸ばしても割れた歯が修復するわけでもありません。
抜歯が始まりましたが、なかなか抜けません。様々な器具が登場しますが、全く抜けず。
かれこれ一時間。
先生が一言。
「あきらめましょう!このままいきましょう!」
犬歯の粘り勝ちです。
抜かなくても骨と同化するから、治療は進める事ができるとのこと。
なんだかホッとしました。
抜かずに済むなら、その方が身体にも負担はかかりにくくなります。
先生の「あきらめましょう!」に心底ホッとしている自分が居ました。
犬歯、グッジョブ。
「あきらめる」という言葉は一見、ネガティブに感じられますが、
「ここは、あきらめて、次に行ってみよう!」という「あきらめ」は、意外とポジティブな空気を纏っているのだなぁ〜。
そして、「あきらめ」の次には違う道が拓けるということがあるんだ。
「また来週ね!」
ガハハと笑う先生に見送られながら、歯が痛いにも関わらず、明るい気持ちで診察室を後にしたのでした。
帰宅し、歯科での出来事を一通り、家族に話しました。
すると、長男が、またまた超冷静に、
「あのさ、結局抜かなくてもいいんなら、最初から抜かなくても良かったんじゃない?」
…そうなんだけどね。
…まぁ、そうなんだけどさ。
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