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「好き」が薄まらないように。

こどもたちの、「すきなもの」「すきなこと」が、たくさんある。

私にも、「好きなもの」「好きなこと」が、たくさんある。

人は、ついつい、誰かの「好き」に対して、「なんでだろう?」とその理由を知りたい衝動にかられるのではないだろうか。相手の好きの理由を知ると、その人を理解できるような気がするからだろうか。

理由を尋ねられると、聞かれた相手は、「好きの理由」を答える。

聞かれているのだから、とりあえず、その理由を考えたり、それに応えなくてはならない気がして後づけしてしまうこともあるかもしれない。

もちろん、明確に答えることができる場合もあると思うが、それはどこかで見たり聞いたりしたことそのままである可能性も否定できないと思う。

「すきの理由」は、言葉にすれば、味や、色、フォルム、香り、感触・・・好きな要素は沢山あるだろう。

しかし、もっと感覚的な記憶や風景と結びついていることだってある。

自分が子どもであれば、それを感じていても、ことばにはできない、その部分もまるまるぜ~んぶひっくるめて「ん~わかんない。」となるのかもしれない。

もしも、言葉巧みに説明できたとしたら、その途端に好きの色は薄くぼやけて、つまらないものになってしまいそうだ。

「なんだかわからないけど、すき。」

「とにかく、すき。」

「よくわからないけど、たまらなく、スキなんだよ。」

「すきなものはすき!」

そういうのって、やっぱりいい。

一緒にいられる間に、相手の好きと嫌いを感じ、集めていく。

すると、ちょっとだけ、その人を形作っている空気を感じられる気がする。

だから、私は聞かない。「どうして好きなの?」と。

誰かの「好き」が薄まってしまわないように。


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やなぎだけいこ
学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!