Shoji Takata 高田祥司

ことばに関心がある研究者です。研究の中で考えたこと、日々の生活の中で気になったこと。ことばにまつわるあれこれを、やわらかく楽しく綴っていきます。

Shoji Takata 高田祥司

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最近の記事

クローズアップ「ラ変」【カタルシス古典文法②補足】

あり・をり・はべり・いまそかり、我は求め訴えたり。出でよ、ラ変! やった、遂にラ変を呼び出したぞ! 古文の単語や活用、呪文のように憶えましたよね。その中でも、皆さんが真っ先に思い出すものの一つが、ラ行変格活用(ラ変)の動詞を挙げるこのフレーズではないでしょうか。「ゆる言語学ラジオ」ゲスト出演動画、第4回はラ変フィーチャリング回です。前回から【カタルシス古典文法】と題して話をしていますが、ラ変は古典語の様々な場面に登場し、大活躍しているスター。ラ変を制する者は古文を制すと言っ

    • 活用形、こんな見方が面白い!【カタルシス古典文法①補足】

      突然ですが皆さん、古文は好きですか? 好きだという人は、あまりいないのでは。単語や文法事項など、憶えることが沢山あって、苦手意識を持っている人の方が多いと思います。僕は普段、大学の教員養成課程で授業をしているのですが、国語の教員を目指す学生にさえ、古文が好きではない、苦手だという人はかなりいます。 どうしてこんなことになっているのでしょうか。それはひとえに、学んだことが「繋がっていない」からだと思います。活用などを呪文のように何度も復唱したり、語呂合わせを使ったりして憶えた

      • 東北方言と韓国語の対照研究!?【ゆる文献レビュー #1】

        東北方言には、オールラウンダー「た」に加えてスペシャリスト「たった」がいる! 先日公開された「ゆる言語学ラジオ」のゲスト出演回で、現代日本語の過去表現「た」を取り上げた際に、そんな話をしました。その中で触れましたが、韓国語にも「た」と「たった」によく似た-었-と-었었-という過去表現が存在します。この東北方言と韓国語の二種類の過去表現については以前、日本語学会の学会誌の論文にまとめました。 今回の記事では、こちらの論文の内容を簡単に紹介します。 東北方言と韓国語には、他に

        • 方言から迫る「た」の本質!【「た」と東北方言《後編》補足】

          オッス、オラしょうじ! 前回の【カタルシス方言文法】、見てくれたか? おでれぇたな。方言の話が出てこねぇうちに終わっちまった。 今回は急いで話を進めなきゃなんねぇ。 でもよ…相手はトーク力お化け、散らかしまくる水野さんと堀元さん。 ホントにぜんぶ話せんのか……? へへ……こんなやばいときだってのに、わくわくしてきやがった……! それじゃあ、行くぜぇっ!! というわけで、今回も始まりました。【カタルシス方言文法】! 前回の記事に書いたように、前編では基本となるテンス・アスペク

          「た」は『ジョジョの奇妙な冒険』!?【「た」と東北方言《前編》補足】

          さあ、始まりました。「カタルシス方言文法」! 初回はいかがだったでしょうか? この記事は、第1回の動画について補足するものです。動画の視聴がまだの方は、こちらからご覧になった上でお読みください。 【「た」と東北方言《前編》】 今回のテーマは現代日本語の過去表現「た」。尾上圭介(2001)『文法と意味Ⅰ』(くろしお出版)の分類による「た」の6つの意味「過去・完了・単なる状態・確言・要求・想起」。これがもっとスッキリ整理できるというお話です。結論から言うと、「た」がこれだけ多

          「た」は『ジョジョの奇妙な冒険』!?【「た」と東北方言《前編》補足】

          「ゆる言語学ラジオ」出演にあたって

          よもやよもやだ。自分が「ゆる言語学ラジオ」に出演する日が来ようとは。 ご縁の始まりは、現代日本語の過去表現「た」が扱われた回で、東北方言の過去表現について書いた論文を取り上げていただいたこと。YouTubeのおすすめに出てきた動画を、「へぇ、こんなテーマも扱うんだな」と思って観ていたところ、『日本語のテンス・アスペクト研究を問い直す2』が登場。「激オモロ論文だけ紹介する」という水野さんの言葉に続いて挙げられたのは、なんと自分の論文! 日本語のテンス・アスペクトについて今後考

          「ゆる言語学ラジオ」出演にあたって