「治ってね」が治療の原点
私は鍼灸の仕事をしていて、東洋医学や「治る」ということを普段から自分の実生活を通して考えています。
今までは自分の仕事のことはnoteに書いてこなかったのですが、今年に入ってから少しずつ鍼灸や東洋医学的な考え方について、日頃鍼灸師として感じることや仕事を通して考えたことなども書いていきたいな、と思うようになりました。
自分のために心に残ったことを書きたいと思います。お付き合いくだされば幸いです。
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鍼灸師とは、鍼灸の施術を行うために、国家資格が必要になります。鍼灸専門学校や鍼灸学科がある大学で3〜4年勉強をして国家試験を受験して合格して鍼灸師(はり師・きゅう師)となる事ができます。
今も時々学生時代の教科書を見返して確認することがあります。
先日も教科書を見ていたら、欄外に当時担当の先生が言った言葉で今も大事にしている言葉を見つけました。
「『治ってね』の気持ちが治療の原点」
とメモ書きがしてあったのを見て、「これが基本だな」と初心にかえりました。
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鍼灸施術は病気や辛い症状を無くすことはできなくて、症状がある人に対して、治す方向に働きかけることで、症状を改善する行為だと考えています。
(鍼灸師によって考え方は色々ありますが、私はそう考えています。)
鍼灸師が「治そう」と思っても治すことはできないと思っていて、症状が改善したり回復するのは、患者さん本人にしか出来ないことなんだと常々感じています。
施術の時に、ただ「回復してね。良くなってね。治ってね。」の気持ちで、鍼灸師が患者さんの様子や変化を感じながら、鍼をしたりお灸をし、そうやって、患者さんの回復力を引き寄せることが役割なんだと思います。
そして患者さんにお伝えしてるのが「養生」です。
「養生 ようじょう」とは「生を養うこと」。セルフケアケアです。そして養生と治療は表裏の関係にあります。鍼灸施術をしても生活の不摂生をしているとまた症状がぶり返すので日常生活も大事にしてね。と話しています。
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回復力や治癒力は、再現性が少ないので数値化できなくて、「鍼灸は科学的じゃない」「治らない」とか言われてしまうんですけど、鍼灸師と患者さんとの関係性の中で治療効果が出るので「こうゆう治療方法もあるんだな」と選択肢に加えていただけると良いなあと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます😊