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大人のADHDについて 私が大人のADHDを診療するようになったわけ②

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大人のADHDについて 私が大人のADHDを診療するようになったわけ①

さて、まずは大人の治療を担当すると決めて、日々診療に勤しんでいた私だが、いろいろな紆余曲折を経て、摂食障害の患者さんを診る機会が増えた。摂食障害は、思春期に発症することの多いものなので、必然的に思春期年齢の方の担当をすることが増えた。子どもは難しいなと思いながら、摂食障害の方を診るようになった経緯はまた別の機会に書きたいと思っているが、とにかくそこで、思春期の心の動きというものを学ぶ機会を増やすことになった。なんでも知るというのは大事なことで、知識を得れば対応できることが増える。かつての苦手意識が少し和らいでいくようになっていった。

そんな中、うつ病を患った患者さんの担当をしていたときに、まず休養してほしいと伝えた時に、「どうやって休めばいいのですか?」と質問された。この質問自体は以前もよくあって、その都度「仕事も家事もしないでとにかくゆっくりしてください」といった、今思えばすごく曖昧な返事をしていた。うつになる人は真面目な人が多く、休むことに罪悪感を持っていてそのような質問をするのだと思い、今は休んで良い、休むことは悪いことではないといった説明をしていた。しかし、そうではない人が時々いることに気づいた。本当に休めないのだ。

時間があれば動いていたい、というか、何もしないでいることの方がかえって苦痛でたまらないというのだ。これは一体どういうことなのだろう?と思いつつも、とにかく今は動いてはいけないという話を繰り返ししていた。でもそういう人は、少しうつが改善するとすぐに動き回ってしまい、またうつが悪くなるということを繰り返していて、なかなか状態が改善しなかった。本当に困ったことだなあと感じることが増えていった。今思えば、背景に「大人の発達障害」の問題があったのではないかと思う。

続く。

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大人のADHDについて 私が大人のADHDを診療するようになったわけ③

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