4月から全然好きじゃない仕事で食べていくことになった君へ
数年前の春。就職が決まった。第一志望でもなければ第二志望でもない会社だった。ついでに第三志望でも。
「3年たたずに新卒で入った会社を辞めたら人権なし」みたいな風潮に辟易としながらも、じゃあ仕事に慣れる前にすぐに辞めてやろうなんていう勇気もなく。「すなくじら、就職どこ決まったの?」と友人に聞かれるたびに、正直気が重かった。
就活の時からずっとそうだった。第一志望の大手の最終選考に落ちてから、やる気の糸がぷつんと切れた。結果、持ち駒の中で一番給料が良かったヤバめのベンチャー企業に入って、案の定ヤバい日々を過ごすことになるのだが、まあそれは一旦置いておく。詳しいことが知りたいと思ってくれた優しい方がいたら、こちらも置いておくのでぜひ。
まあ今回はタイトル通りで、というよりそれはまさしく過去の自分に当てたメッセージでもあるのだが……。新社会人の皆様に向けて、わたしなりにこの社会で生きていて思ったことを綴っておきたい。
わたし自身もまだまだ生きる上でさまざまなことを模索している身だが、3年だけ先に社会に出たわたしが感じた、ちょっとだけ息がしやすくなる5つの魔法を。
①とりあえず、食べて眠って給料もらってれば偉い
仕事って、好きなことをやっていても嫌だなって思う瞬間が来るものなのに、興味のない行きたくもなかった企業で働くことってほんとうに辛い。「じゃあそこに行かなきゃ良かったじゃん」っていう他人のツッコミがくるのもわかっていて、でもそこに行かなかったら働かない自分をまた別の刃が攻めてくる……だれかポンと1億くらいくれないかな……と、いつも思っていた。
だからまず前提として、とりあえず、食べて眠って給料もらってれば偉い。別に生産性のある仕事じゃなくてもいいし、失敗してもいい。派手な成績を残せなくてもいい。3年以内に、転職しても全然大丈夫。「働くこと」にキラキラした付加価値がなくても、十分に偉すぎる。それに、夢と仕事が直結していなくてもいい、わたしはそう思う。好きな人とちょっと美味しいご飯を食べるとか、1日の終わりにあったかい布団で眠りにつくために貴方は働いているのだから。
②食べて眠って給料もらえなくても偉い
①の続き、食べて眠って給料もらえなくても偉い。給料を貰えなくなったら、仕事ができなくなったら、貴方の価値がなくなるわけではない、ということを覚えておいて欲しい。辛いことがあって、長く会社を休まなければならなかったり、あるいは会社を辞めることになっても、社会からはみでても、貴方の価値は何も変わらない。そこで、貴方を見る目が変わったり揶揄してくるような人はもともと貴方の世界に必要ない人だから。
③その社会が全部じゃない
自分自身、勘違いをしていたなと思うことがあって。たぶん私を含めた多くの人が乗ってきた「学校→企業」のレールって、時々そこしかないように錯覚させることがある。
必然的にそこでの出会いが色々なきっかけになりやすい(親友を作ったり、恋人と出会ったり、恩師に巡り合ったり)のはいつだって変わらないけれど、今はSNSもあるし、仕事や企業の中での自分、以外の自分に出逢える場所もたくさんある。
だから、一つの場所でうまくできなくても人生は全然終わりじゃない。大丈夫。
④大人になることは楽しいこと
前提として、大人になることは楽しい。お金も増えるし、私の場合は学生の時より自由な時間が増えた。あとは人によっては「企業に勤めているという信用」によってできることが増えることもある。自分の力で家を借りたり。生きる上でのできることがどんどん増える、増えていく。
それは裏返すと、企業に勤めていないから出来ること(フリーランスとか留学とか)もあるんだけど、とにかく全部ひっくるめて選べることって楽しいことだと私は思っている。
⑤会社に属することはカッコ悪いことではない
これは全ての人に当てはまるわけじゃないから、もし当てはまる人がいたら。もしかしたら、社会に属することを引け目に感じている人もいると思う。大手企業のスーツを着たサラリーマンに憧れる人がいる一方で、それと真逆の価値観持つ人もいると思っていて。クリエイター職だと特にその傾向が強い気がしている。あとは学生で起業を成功させている人とかみると、比べてしまうこともあるのかな。とにかくそういう感じ。これは自分の話になってしまうけれど、私はどちらかというとそのタイプで、昔上司に相談したことがある。
そしたらその上司が「企業にいることの安定以外のメリットは、自分1人の力じゃ絶対にできない規模の仕事ができること」だと言っていて、すごく納得した。いずれ独立をするのも、起業を夢見るのもすごく良いと思う。私もそうだし。でもその前に、どうせなら社会勉強してからでも遅くはないのかな、と思ってる。だってきっと、お客さんは社会に属する人なんだから。
社会も仕事も企業も、実はそんなに怖くない。それにいつだって選ぶのは自分。実はみんな、色々なことに迷いながら、毎日仕事をしてるんだと思う。高そうなスーツを着た部長も、新人育成担当の可愛い先輩も、きっとみんな不安ながらに手探りで仕事をしていた時期が絶対にあるから。
大丈夫。本当に、辛くなったらやめればいい。わたしも辛くなったら、すぐ辞めるから。だから、そのときまで。まずはちょっとだけ、出社時間に間に合うようアラームを鳴らしてみるのも良いのかな、と。
月曜日の朝もそんなに悪いものじゃない、と思えるようになる日がくると良いよね。
2021.04.02
すなくじら
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