無意識の垣間見るところ【詩】
心眼というのはどこにあるのだろう
目を閉じて息を吸う
おなかの遠くから息をもってきて
スゥと吐く
換気扇の音
安蛍光灯のチカチカ
朝に焦がしたパンのにおい
そんな現の世界は
手にとれるほど近くにあるのに
ロウソクの炎のように
すぐに吹き消されてしまうようでもある
あいまいになった意識が
やがて川になって海と流れをともにして
大きな渦をまく
渦の先っぽは暗い
軸は別の時空を通って
ぽっかりとあいたブラックホールにぶつかる
あぁ、ここに居たのか
手招きするように風がそよぐ
ハリガネでできた、か細いゲージが開く
あぁ、ここに居たのか
君の言う名のわたし
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