ファンタジーアースゼロの日々 新兵とwiki編
今から20年近く昔、ネットを通じて50人vs50人の陣取り合戦を遊ぶことのできる三人称視点のアクションゲームがあった。それがファンタジーアースゼロだ。これは、そんなファンタジーアースゼロの世界で青春を過ごすたスナガガの思い出話である。
自然発生する新兵教育機関
ファンタジーアースゼロを普通に始めると最初は、よくあるMMORPGのように始まる。チュートリアルとクエストをこなしながら、レベルを上げ、より強い装備を手に入れ、ひたすらそれを繰り返す。そしてある一定のレベルになると50人vs50人の戦争へ参加することができるようになるのだけれど、如何せんゲーム内では細かなルールが語られない。
どんな行動が悪手でチームを引っ張るのか、どんな役割を請け負えばよいのか、わからぬまま低レベルな状態で戦争に向かうスナガガ。待ち受けていたのは、度重なるデッドと敗戦の嵐だった。 そんなスナガガを見かねたベテランプレイヤーが、いろいろ教えてくれた。クリスタルを採掘する裏方があること、召喚獣というレベル差のでない役割があること、どのくらいになれば戦場に出て良いのかということ。
そんなこんなで、まともなプレイヤーとなることができたのだが、面白いことに多くの新兵がこの「戦争中は何したら良いの?」という疑問に直面していたらしい。ファンタジーアースゼロには5つの国家が存在していて、その国家間で対戦をすることになるのですが、国家ごとに新兵を育てるためのwikiが存在していた。
上で書いたような基本的なことから、対戦相手の動きを止める攻撃をした時はチャットで知らせろやろ、強い攻撃に弱い攻撃をかぶせちゃいけないなど細かなところ、そしてその国の不足している兵種やら攻撃目標など記載されていており、戦争に参加するなら一読必須のものとなっていた。
そんな遊ぶ上でチュートリアル以上に重要になりそうな教育が、公式からではなく各国のプレイヤーたちが自発的に行い、補完していったというのが驚きである。
ちなみにそんなファンタジーアースゼロに教育されたスナガガには、未だに仕事上で後輩など指導するときにwikiに書かれていた名言を使うことがある。「適当ってのは、適切なことを当然のごとくやることだ」というゲブランド帝国の教えだ。ファンタジーアースゼロは2022年にその長い歴史を終了している。未だにスナガガの中でネトゲのために生まれた教えが生きているというのは、如何にみんなが本気でwikiを編集していたのかというのが感じられる。
MMORPGで得た経験も決して意味のないものだけではないのだなぁと久々に各国のwikiを改めて見返しながら感じつつ、もっといろいろなことを思い出してみようと思うスナガガでした。