終わってしまったカードゲームの思い出を語る。ビックリマン2000チャージングカードゲーム編
今までいろいろなカードゲームを遊んですごしてきたけど、その中には今ではもうサポートを終了してしまったものもいっぱいありました。そんなカードゲームたちの思い出について語りたいという自分語りの記事でございます。当時を思い出して懐かしんでくださる方や、カードゲーム業界の歴史の一抹の資料として読んだくださる方がいれば幸いです。
ビックリマン2000チャージングカードゲームとは…
ロッテが展開する『ビックリマンウエハース』を題材にしたトレーディングカードゲームで、1999年からタカラトミーにより販売開始された。
ゲームのルールはポーカーに似ており、補助カードなどを使いながら手札に役を揃えて、役を構成するカードたちを場に出す。カードのパワーと役の点数を足して攻撃力を算出し、その点数を対戦相手へダメージとして与える。最終的に対戦相手のライフを0にした方の勝利というルールだ。
ルールだけでも独特なのだが、それ以上に前代未聞な仕掛けが、カードそのものにシールを挿入するためのスリーブがついており、そこにシールを装着(チャージング)することで、豪華に見せるだけでなく、カードのパワーが跳ね上がるというゲーム上の有利も得られるルールとなっていた。
カードそのものにスリーブをくっつけるという、カードゲーム業界を震撼させたビックリマンチャージングカードゲームだったが、カードとシールを両方集める必要があったり、その反面、物流の兼ね合いでカードに対応したシールを集めづらかったり、とビックリマン2000チャージングカードゲームならではの問題を抱える形となった。そんな困難のためか約1年で、その歴史を終えた。
小学生スナガガ、物流の難しさを知る
実はスナガガの小さい頃、ビックリマン2000チャージングカードゲームのスターターを購入したことがある。当日ビックリマン2000のアニメが放映され、コロコロコミックでは漫画が連載されていた。その中で珍道中を繰り広げる星天使タケルに憬れて、天助ポーチに恋い焦がれたスナガガはチャージングカードゲームを買わずにはいられなかった。そしてなによりもポケットカードなるものが存在し、今まで集めたビックリマンシールを挿入することでパワーを強化できるという仕様が、幼いコレクタースナガガの心を射止めないわけがなかったのである。
そして試しに第一弾スターターを買ってみたわけだが、そこにタケルやポーチ、バカラ軍曹でさえいなかった。それもそのはずで、第一弾チャージングカードゲームはビックリマン2000ウエハースシリーズの第一弾に準拠する内容で、アニメや漫画が開始して登場したタケルや、ポーチはビックリマン2000ウエハースシリーズの第二弾からの登場なのだ。
気を取り直してポケットカードに挿入できるシールはないかと、コレクションを探ってみる。しかしながら基本的にウエハースの第二弾から集めだしたスナガガのコレクションに挿入できるシールはほとんどなかった。
なら今から集めればいい!そう思い立ったスナガガだが、新たな壁が立ちはだかる。もう第一弾のウエハースはどこにも売っていなかったのだ。これは大人になって知ったのだが、製造の兼ね合いでチャージングカードゲームの新弾が発売するころには、その新弾に対応したウエハースは絶版となっており、あとから集めるということが非常に困難だったようだ。まぁ食品だから仕方ないよね。
そうこうするうちに、周りでもビックリマン熱は冷めていき、ついに遊ぶこともなく押入れの中にしまい込むことになった。
唯一無二のゲーム性を体験しよう
実はスナガガはチャージングカードゲームを遊んだことがあった。大学生時代、意識高い系カードゲーマーだったスナガガはあらたな知見を手に入れようと手を出したのが、ゲームボーイ版チャージングカードゲームだった。あらたな知見という意味ではこれに手を出したのは正解だった。
従来のトレーディングカードゲームは、場にモンスターやキャラクターを登場させ、何かしらの方法でサポートしながら戦うと言うのが大まかな流れだった。しかしこのチャージングカードゲームは、全然違っていた。ポーカーという歴史あるカードゲームを模倣しながらも完全にオリジナルのゲーム性がそこにはあった。
たしかにゲームとしての粗は結構ある。あんまり役に立たない役があったり、同名カードが1枚までという制限がデッキや戦略を一辺倒にさせたり、チャージングしてないと勝負にならなかったり、上げればきりがない。
しかしこのゲーム性は間違いなく面白い。手札に天使を四枚揃えて『エンジャルフォース』の役を作り、《シールのふり》を使ってすべてをチャージング状態にして、相手のライフを半分削り取るときはなんとも言えない快感が脳内を走り回る。この快感を味わってみたい方は是非、GB版を遊んでみることをおすすめしたい。
誰かこのゲームを受け継いでくれ!
正直このチャージングカードゲームのルールは、独創的であり、このままなくなってしまうのは惜しいと感じてしまう。そんなにポーカーみたいなゲームがしたいならポーカーでもすれば良いのでは?、と思われるかもしれない。しかし天使、悪魔、サポーター、フーリガンという種族と、それぞれの属するチーム、対応したサポートカードなどこれほどキャラクターIPにマッチする設定はないとスナガガは思っている。
そしてそこに個性あふれる役や、調整されたサポートカード、それぞれの種族やチームの特性を表現する事が出来れば、かなり面白いキャラクターカードゲームができるだろう。もし復活の機会があるならば、ビックリマンチャージングカードゲームとして復活することを祈りたいと思うスナガガでした!