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終わってしまったカードゲームの思い出を語る。ゾイドバトルカードゲーム編

 今までいろいろなカードゲームを遊んですごしてきたけど、その中には今ではもうサポートを終了してしまったものもいっぱいありました。そんなカードゲームたちの思い出について語りたいという自分語りの記事でございます。当時を思い出して懐かしんでくださる方や、カードゲーム業界の歴史の一抹の資料として読んだくださる方がいれば幸いです。

ゾイドバトルカードゲームとは…

  当時玩具メーカーのトミーが展開していた、恐竜や動物などをモチーフにしたロボットのプラモデルシリーズ「ゾイド」。その世界観をトレーディングカードゲームに落とし込んだものが、「ゾイドバトルカードゲーム」でした。
  ゾイドバトルカードゲームのルールはとても独自性が高く、チェスや将棋のようにゾイドを模したコマをボード上で動かしながら戦い、カードを使ってそれらをバックアップしていくと言うものだ。今でこそミニチュアゲームやボードゲームなどに駒とカードを使うものは存在しているものの、トレーディングカードゲームとして展開されたのはゾイドバトルカードゲームが最初で最後かもしれない。

ミニチュアとカード

遊べなかったという思い出

 スナガガは戦略シュミレーションゲームというのが大好きだ。主人公の視点だけでなく、戦場すべてにドラマがあるのが大好きなのだ。そんなシュミレーションゲーム好きの小学生スナガガにゾイドバトルカードゲーム興味を持たずにはいられなかった。そしてクリスマスに共和国のスターターセットを買ってもらったのはよかったものの、友人たちには興味を持ってもらえず、実際にゲームを遊べることはなかった。
  でもゾイドバトルカードゲームの良いところは、スターターセットにもブースターパックにもミニチュアが付いていると言うことだ。決してカードゲームで遊べなくてもミニチュアを眺めたり、妹の遊ぶハム太郎の家に殴り込みをかけたりなど、遊ぶのには持って来いだった

極秘活動をする小学生スナガガ

  当時コロコロコミックとスーパーやデパートがコラボすることがあった。コロコロコミックについてる会員カードのような紙をスーパーのおもちゃ売り場で見せると限定カードの配布など特典がもらえると言うものだ。
    ゾイドバトルカードゲームもご多分に漏れずそんな企画をやっていた。そんな情報をコロコロコミックで手に入れたスナガガは勇気を振り絞り、鉄竜騎兵団 隊員証を握りしめ、近所のスーパーに訪れる。そしてオドオドしながらおもちゃ売り場の店員さんに「鉄竜騎兵団 隊員証」を見せる。沈黙する店員さん。おそらく今まで誰も持ってきた子供はいなかったのだろう、対応の仕方がわからないようだった。学区内でゾイドバトルカードゲームを持っている人間を自分以外にはしらない。
  その沈黙にも引き下がらないスナガガを見て、裏に一度引っ込んだ店員さんが、ベテランらしき店員を引き連れてやってくる。そしてしばらくレジ周りでおまけの捜索をした二人が、これで合ってる?とバーサクフューラーというカードを持ってきてくれた。喜ぶスナガガを尻目に、鉄竜騎兵団 隊員証の受取欄に印鑑が押される。世界観もへったくれもない店員さんの名前であろう「中村」という印鑑が押されていたのには小学生ながら笑った。

インターネット黎明期の黒歴史

 ある日スナガガはサラマンダーというカードとミニチュアを手に入れた。ゴジュラスにかわるLサイズゾイドにテンションが上がり、とりあえずスターターデッキのゴジュラスと入れ替えて、オリジナルデッキの完成だと喜んでいた。
  それだけなら可愛い話で済んだのだが、何を思ったのかスナガガはそのデッキレシピをインターネットの掲示板に投稿したのだ。当時はインターネットの黎明期ではあったものの、インターネットを使ったコミュニケーションは小学生でもできるぐらいになっていた。
  一生懸命デッキリストを記入するスナガガ。おそらくスターターデッキと違う点は、サラマンダーとコロコロコミックのおまけで手に入れた「ジーク」ぐらいだったと思う。そんなデッキをなんとか投稿することに成功したのだ。しかし次の日管理人さんから連絡が届く、「こちらの投稿、削除しても良いですか?」。とはいえゲーム自体で遊んだことのないスナガガに喰い下がる事はできず、泣く泣く「はい」と送ったのを覚えている。

挑戦と失敗と

  そんな思い出のあるゾイドバトルカードゲームですが、ゾイドの第二次ブームの収束とともにサービスを終了していく。トレーディングカードゲームとしてはかなり挑戦的だったゾイドバトルカードゲーム、そのゲームバランスはあまり良いとは言えないものだったと言う。また個人的にはプロモーションの展開も難しかったのだと思う。せっかく付録で手に入れたゾイドカードたちもミニチュアがなければ遊べなかったし、パイロットとイベントカードをもらってもあまりテンションが上がらないのが小学生だ。
  とはいえこの挑戦的だったカードゲーム、いつかバランスを調整した形で再販してもらえれば、購入する層はかなりいると思う。海外のミニチュアゲームにかわる日本製のミニチュアゲームとしていつか復活することを願って終わりにしたいと思います。
 


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