詩|夜明け
夜明け前
ぼくはうすら寒い心の砂漠の真ん中で
君という太陽が上がるのを待っている
やがて空が白ばみ
黒から希望の色へのグラデーションを
空と砂漠に描き始める
心の砂漠も照らされて
でこぼこだったことを思い出す
でも光に包まれたいま
それもまた美しいと信じられる
君という太陽は高く高くのぼりつめ
僕の身と心を焦がす
空も砂漠も全て同じ色に染め直して
僕には何もないんじゃないかと
落ち込んでしまう
そしてフィルムを巻き戻すように
君という太陽が遠い遠い
地平の先に沈む
僕の波打つ心の砂漠に描く
グラデーションは悲しみ寂しさの旋律
そして長い夜がくる
満天の星空はまたたいてささやく
もう君という太陽はのぼらないかもしれないこと
違う太陽がのぼるかもしれないこと
太陽を見ることがないかもしれないこと
でも僕は震えながら
君という太陽がつくる
夜明けをまちながら
目を閉じる