スナフ

こどもが砂場遊びするような感覚で、言葉遊びした記録です

スナフ

こどもが砂場遊びするような感覚で、言葉遊びした記録です

マガジン

  • いいっぱなし

  • 日記雑記

    日々のこと

  • 短い創作文章

    ショートショートと呼ぶにはオチがない

最近の記事

詩|夏の陽と恋

一日中夏の陽にさらされて 寝ようとベッドに横たわり 内側からまだ熱くなれと火照りが押し寄せ 皮膚の端々がチリチリ痛む これではまるで恋ではないか というか恋そのものなのだ 君という太陽を見つけては なるべくその光を浴びては 夜はその火照りに身悶える まぶしくて近づけなくて でも蝋で羽を作り太陽に近づいて 溶けて落ちたイカロスを笑うことなく 一歩でも一言でも 君に近づけることを思いながら 疲れた身体は眠りの廊下へ旅立つ

    • 雑記|男性の清潔感は肌の面積と質

      新卒から17年つとめた会社をえいやあとやめて、100人規模のベンチャーに最近転職した。 ベンチャーなので社長や役員は俺と同世代、社員はほとんど年下で女性の比率も前職よりも高い。 簡単にいえば若い集団にオッサンがポンと飛び込んだカタチだ。これはイケオジだダンディだとか高望みせずにまずは清潔感が必要だ!と思い清潔感はどこから、と周りの社員をウォッチしはじめた。 夏だしベンチャーだし、皆Tシャツで、ハーフパンツのひとも多く、サンダルもちらほら。いいな、涼しそう。 でもすね毛がぼうぼ

      • 雑記|朝やけ夕やけを見れば人を許せる

        テレワーク中心で最近は働いているので、久々の出社だ。しかも日帰り出張。新幹線に1時間も乗らないくらいの近場だけども。 顧客に持ってく説明資料を印刷するために早起きして家を出たら、どこまでも境目のない朝やけが地表のマンションや家から天上まで伸びていた。濃いオレンジから薄いオレンジ、白に限りなく近づいてから、薄い水色から爽やかな青へ。 そんな朝やけのグラデイションを見ていたら、ああいろんなことは境目がなくって0と1では割り切れなくて、いいとか悪いとかないんじゃないかなと感じた。

        • 詩|めがね

          ぼくのかけためがねの向こう側 きみがそっとたたずんで ぼくがめがねをはずしたら きみはぼんやりとした薄暗い人影 本当はまぼろしでかげろうで めがねがきみの輪郭をつくっているのかも そんな不安をかかえてはめがねをはずしても きみがぼんやりしない距離まで近づいて 口づけをするのだ

        マガジン

        • 79本
        • 日記雑記
          48本
        • 短い創作文章
          13本

        記事

          詩|夜明け

          夜明け前 ぼくはうすら寒い心の砂漠の真ん中で 君という太陽が上がるのを待っている やがて空が白ばみ 黒から希望の色へのグラデーションを 空と砂漠に描き始める 心の砂漠も照らされて でこぼこだったことを思い出す でも光に包まれたいま それもまた美しいと信じられる 君という太陽は高く高くのぼりつめ 僕の身と心を焦がす 空も砂漠も全て同じ色に染め直して 僕には何もないんじゃないかと 落ち込んでしまう そしてフィルムを巻き戻すように 君という太陽が遠い遠い 地平の先に沈む 僕の波打つ

          詩|夜明け

          雑記|旅に出るということ

          いま旅に出ている。 というとカッコいいが旅行だ。でも旅に行くと書いて旅行だから間違えてはいない。 みんな旅に出るというと、仰々しく考えすぎだと思う。なにかを持ち帰らなければ、映える写真を撮らなくちゃ、心に残る体験をしなければ。 でも自分の心が日常から離れて遠くに飛んでいればそれだけで旅なんだと最近思う。 僕の好きなアーティストにcaravanという歌手がいるのだけど、「日々色々あるけれど、心を遠くに飛ばそう、旅に出よう」といって音楽で僕らをいろんな場所へ連れていってくれる。

          雑記|旅に出るということ

          詩|からっぽ

          僕はからっぽだ なんにも伝えたいことがないくらいにからっぽだ 自慢できることも 誇らしいことも 全部ウソとハリボテで 自分がからっぽだって知っているんだ 僕から見た君はからっぽじゃない ジュージツしてて キラキラしてて まるで別の世界を闊歩しているようだ でもね もし君も自分がからっぽだなんて思ってるとしたら そうじゃないよと大きな声で伝えたい そしてもしちょっとでもそう思うなら 僕のこともからっぽじゃないよっていってほしい 小さな声でいいからさ

          詩|からっぽ

          詩|白線の外側を歩いているようにいきている

          毎日毎日命からがら生きている メンタルやられたその日を思って そうならないよに生きている まるで白線の外側を ずっとずっと歩いてる 長い長い人生と いう名のホームを歩いてさ 先も見えないみなのに 線路に落ちないようにだけ 気をながら生きている 時々特急通過する 仕事、家族、プライベート 受け止めるには辛すぎる その風圧に吹き飛ばされぬよに グッとこらえて歩いてく でもそれが生き方さ人生さ 白線の外側をおそるおそるとふみしめる そうやって前を向き 光を追いかけ歩いてく しかない

          詩|白線の外側を歩いているようにいきている

          雑記|言葉の力を信じて詩人になり、物語の力を信じて小説家になる

          言葉は不自由だ。同じ言葉を同じ時に使っても自分が思ったとおりのことを100パーセント誰かに伝えるのはとても難しい。おそらく不可能に近い。 でもそれを短いフレーズやテンポ、たとえなどあらゆる技術をギュッと詰め込んで、ドモホルンリンクルの一滴を見守るように搾り出して、自分の世界を誰かに見せてあげようと試みる人のことを詩人と呼ぶのだと思う。 言葉は覚えてくれなくてもお話は覚えられる。そらで桃太郎の話を話せる人はとても多い。物語の力は(良くも悪くも)強力だ。人物とイベントと関係性と、

          雑記|言葉の力を信じて詩人になり、物語の力を信じて小説家になる

          詩|納豆を食べた口でキスしてくれるかしら

          あなたは 雑巾で拭いたわたしの顔を優しくなでるかしら 泥水で洗ったわたしの髪をいい匂いというかしら 納豆を食べた口でわたしとキスしてくれるかしら あなたでない人とひとつになったわたしと そんな問いかけを天井になげつづける 二つの呼吸だけが響く冷えた寝室

          詩|納豆を食べた口でキスしてくれるかしら

          詩|あなたがねむるあたたかさ

          ねむる あなたがとなりでねむる 布団を通じて手のひらを感じて あたたかい 静かな寝息 穏やかな寝顔 穏やかでない寝顔なら緊急事態 もし死んでしまっても きっと穏やかな顔なんだろう 違うのはそのあたたかさ 生きる力 生きたいという想い 自分にはそんなものがあるのだろうか なんて疑問に思いながら 眠れない夜に目をつぶる あたたかく寝息をたてるぼくを見ることは ぼくはできないのだ

          詩|あなたがねむるあたたかさ

          雑記|父は水をくむ

          公園にくる。砂場に来る。 父の役目は子の指示に従順になり 水をくむことだ。 コップ、バケツ、何かのフタ 容量要領おかまいなしに、 いまここに水をもってこいの一点張りだ。 交渉の余地はなし。水をくむ。 蛇口をひねり泥だらけの容器をもってくるやいなや 砂場にぶちまける。 競馬や宝くじにつぎこんだお金のように みるみると砂にとけて吸い込まれる水。 なくなってしまうから次をくんでこいとの 厳しい指示がとぶ。なんという勝ち目のない反復運動。 それでも父は水をくむ。面倒な顔で。疲れた顔で

          雑記|父は水をくむ

          詩|ねむけ

          ねむけがぼくにしのびよる まぶたの裏から慎重に 目玉の裏までこそこそと よく訓練された忍者かスパイ そこからグッと圧をかける 重いなんて感じさせずに まるで真夏のビールジョッキが あたりまえのようにしずくをおとすように まぶたをおとしにかかる くらやみ 重さ めぐる今日の後悔 明日への不安 誰かへの想い そんなことは関係ないさと無神経に 綺麗なラテアートをぐるぐるスプーンでかき混ぜるよに なにもわからなくなって ぼくはねるのだ

          詩|ねむけ

          詩|あしがつめたい

          朝目覚めて廊下を歩く 足が冷たい ぼくは生きている 寝不足か酒のせいか 頭が痛い ぼくは生きている ヨガをする寝ころがる 体が重い ぼくは生きている もしぼくが生きていなかったら 足も冷たくなくて頭はすっきりして体は軽いのかな それともそれらを感じるぼくがいないから意味ないか みたいなことをぼんやり考えながら珈琲をいれる 一日のはじまり おはよう

          詩|あしがつめたい

          詩|秋の夜のらりるれろ

          ららら 君がきれいな歌をうたう りりり 外では鈴虫もさえずる るるる ぼくもいい気分でリズムにのる れれれ こんなお会計なんだっけ ろろろ ろれつがまわらないよ 秋の夜の街は 冷たい風が吹いている

          詩|秋の夜のらりるれろ

          詩|出涸らしの脳みそで

          脳みそを しぼってしぼって考えて 綴った言葉は薄っぺら 何度も淹れたお茶みたい お湯だかお茶だかわからない でも何もしないより色づいて きっと何もいれないより匂いたつ そんな言葉が誰かに優しく飲みこまれるのを 出涸らしの脳みそは待っている すかすかでからからのまま待っている

          詩|出涸らしの脳みそで