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私と写真

『ふとした時にハッとする瞬間』

それは例えば誰かの動作だったり
遠くから聞こえる音だったり
空気の振動だったり
人それぞれ違うでしょう

そして私のハッとする瞬間はいつでも
日常の、ありふれた景色のなかにあります


窓辺で水を飲んでいたら
コップの中に一瞬出現した虹

天気の良い日に歩いていると
まつ毛や前髪に反射して
ゴーストのような光が出現する時

バスの窓についた水滴が
外の光に反射して色がくるくる変わっていく光景

昼寝して起きたら一瞬壁が水色に光って見えたこと

行きの道で落ちてた綺麗な花びらが
帰りの道では踏まれて
跡形もない泥のような状態を見た時

西日で一際輝くマンホールの力強さ

食器を洗っているときの
腕からぽろぽろと零れ出す水滴の動き


そういうものに遭遇する度に
形に残せないことへの切なさを痛感しつつ

もしかしたら
写真を撮っていなかったら気にも留めない
自分の中の機微を感じ取れているのかも
無意識に写真の糧にしているのかも
そうやって感性が広がっていくのかも
なんて思ったりもします

忘れてしまわないようにとか
思い出を切り取りたいのだとか
そういった崇高な心持ちなどなく
ただただ自分の感性を掬い集めて
時折見返しては愛しく思いたい

自分がスナップ写真を撮る動機は
それに尽きるような気がします

塵のように小さな自分の機微の欠片を
丁寧に集めて、写真として昇華する

そんなことをする度に
写真をやっていて良かったなと
思うんです





この文章はばーっと思いつくままに書いたので普段の文体と違いすぎて放置していたのですが、感覚で生きている普段の自分ぽさが出ているなあと読み返して思ったので公開してみます。

そして前回の記事が好評で意外でした。誰かとの会話にも上らないような頭の中でぼんやり思っていたことを書いて、共感や関心を得るというのはくすぐったい気分になるものですね。

次からは普通の文章に戻しますね。
それではまた。


普段はXに写真を投稿しています



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