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祖母が遺した写真が教えてくれたこと

先日、祖母の家で写真を発見したと母から連絡があったで見に行って来ました。

祖母は今年の春にコロナで呆気なく生涯を閉じたのですが、祖父母の中で1番小さな頃からの思い出が多かったので、手元に何か残しておきたいなと思ったのです。そしてどうせなら写真がいいかなと。

もうフィルムでは撮らないけど、
思い出としてもらったコンパクトカメラ。
高校生の時には使わなくなったPEN EESをもらって
それもとても気に入っていたな。

祖母は写真が趣味というわけではなかったけど、私が小さい頃はいつもコンパクトカメラを持ち歩いていてスナップ感覚で記念写真を撮るのが好きな人でした。

旅行も好きだったので、見たことはないけどいろんな国の風景写真がきっとあるだろうからそれが欲しいなと亡くなったすぐ後から考えていました。

お花が大好きな元気だった頃の祖母

誰もいなくなった家から出てきたのは靴箱を倍の高さにしたようなプラスチックの箱。中にはビニール袋にがさっと入った写真たちと、写真屋さんでもらえる簡易アルバムに入っている写真たちが複数。どうやら年代問わずお気に入りの写真を集めた箱だったようです。

時系列のわからない写真を眺めていると、これいつの写真だろう?と思うのが人間の性。

ここで祖母の素晴らしさを知るのですが、ビニールに入っていた写真の裏に全て年齢や場所などのちょっとしたメモが書いてあったのです。例えば綺麗なスーツでお弁当を食べてる祖母の1ショット写真があって裏を見ると、せいな運動会って書いてあるんです。

殴り書きだし文字間違えてるけどそれも祖母らしい。
(とてもどうでもいい注釈を添えておくと、
私の名前はひらがなではありません…。)

ささやかな覚書として自分のために書いておいたものなのでしょう。

でもそれを見た時鳥肌が立ちました。写真を見ているだけでは全くわからない情報が、裏面に僅かな情報が書いてあるだけでその写真の何倍もの情景がぶわっと浮かぶのです。もしかしてこの端に少し見えてるのは校庭…?など解像度も急に上がります。

基本雑に書かれていておもしろい
簡易アルバムの表紙にも場所や年が必ず書いてある

別に将来の子供が見るため、孫が見るためなんて使命感を持たずとも、数十年後にすっかり忘れてしまった自分自身が見て懐かしむために少しでも写真に一言を添えて残しておくのはとても良いですよね。

パノラマがとても気に入ってたらしく、
たくさん残っていた。

デジタル写真が主流になってもう長いのに、いまいちまだデータで思い出を残すっていうのがピンときませんよね。iPhoneに入った膨大な記録写真の中にはどこで撮ったのかわからないものも既に存在するし、数十年後に見返せるような機器が存在するのか疑問です。だって私が高校生の時使ってた携帯の写真データが残ってるんですけど、画素数が小さすぎて今のPCじゃまともに見れないんですよ…せつない。

思い出写真原寸。ちいさ…

30年40年50年と経った時に、iphoneで撮った写真を、今のデジカメで撮った写真を、見る方法はあるのかな。

そう考えるとプリントは確実に誰でもいつでも見返して楽しめるからやっぱりいいものですね。しかも手書きの言葉をセットにもできる。記念写真なんてもう全然プリントしてないけど、今からでも気に入った写真はプリントして残したくなりました。

イギリス旅。時にはアルバムの最初に日記が書いてあったり、関連したものが何か貼ってあったりする。


その場で気に入った写真を選んで、残りは母に委ねることに。
プリントするという小さな2025年の目標ができて、母と思い出を振り返りながら祖母の写真も堪能して、とてもよい冬の1日となりました。


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