古いゲームの相場

近年では、携帯ゲーム機といえばニンテンドースイッチがその代名詞のような存在だ。それどころか、「スイッチしか思いつかない」という人も多いだろう。しかし、スイッチが登場する前はどうだったか。携帯ゲーム機の主流は3DS、据え置きタイプはWiiだった。そしてさらにその前、ニンテンドーにはゲームボーイアドバンス(以下GBA)という携帯ゲーム機があった。

私もゲームボーイ(以下GB)は持っていたが、一番ハマったのはやはりGBAだった。ロックマンエグゼやポケモンといった名作たちは、GBA世代の人ならおなじみだろう。友達の家に集まって対戦したり、協力プレイを楽しんだりしたあの頃の思い出は、今でも鮮明だ。

そんなGBAが発売されたのは2001年。気づけば20年以上が経過している。なぜこんな話をし始めたのかというと、最近無性にGBAのゲームをやりたくなったからだ。調べてみると、今では「IPS液晶化」というカスタムができるらしい。簡単に言えば、画面を明るく見やすいものに交換する技術だ。高画質になるわけではないが、明るくなるだけでも20年前のゲームが今風に生まれ変わる。そんなGBAなら、きっと今でも楽しめるに違いない。

そこで私は休日にブックオフへ出かけた。中古のGBAがいくらで売られているのか調査するためだ。結果、GBA本体は7000円ほど、折りたたみ型のGBASPは8000円くらいで売られていた。20年前のゲーム機にしてはなかなか高額だ。さらにソフトをいくつか揃えたり、液晶の交換を行ったりすれば、合計で2万円近くになるだろう。

そう考えると、「さすがに高いな」と思わざるを得ない。20年前に流行したゲームがいまだにこの値段。一緒に遊ぶ友達もいなくなり、通信機能も使えない状態なのに、この価格だ。

しかし、不思議なことに、それでも心が惹かれてしまう。こんな高額でも欲しくなってしまうのが、20年前に遊んだゲームの魔力なのかもしれない。その日は結局買わずに店を後にしたが、家に帰ってからもGBAのことが頭を離れなかった。どうせ買うなら早い方がいいのか。それとも、これはただの気の迷いなのか。

そんなふうに悩んでいるうちに、ひとつの答えに気づいた。結局、大切なのは値段ではなく、「もう一度遊びたい」という気持ちなのだ。だからこそ、もしかしたら近いうちにまたあの店に足を運んでいるかもしれない。20年前と同じように、ワクワクしながら。

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