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#由き良き

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海と山の間にある町にふわっと移住してみたら、見えてきたのは自分だったりしたっていうはなし、
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#平成最後の夏

都会でこじらせたから、田舎に移住した。

朝起きて、洗濯やら掃除をして、 布団をほして、朝ごはんを食べて、 書類の整理をして、 適当にTwitterやら、 Facebookをスクロールして、 誰が書いたかわからないnoteの文章に 吸い込まれたりもして、 ケーキを焼いている合間に シャワーを浴びてみたり、 読みかけの本を読みかけたり、 お昼ご飯を食べながら、 考え事をして、 洗濯物と布団をといれたりして、 突然、何も考えたくなくて ゲームを始めてみたり、 野菜室の様子を見て、 ジャーサラダを作ったりもした。 お腹がい

濁点

台風が通りすぎた次の日は 朝も風が冷たくて、下り坂ですれ違う風は、 少し寒いとさえ思った。 チェーン取り替えたての自転車で 町にひとつしかないスーパーに 寄ったあとの帰り道、 20時前の道は真っ暗そのもので、 自転車の無灯火が 良くないとされる意味がはじめて解かった。 帰りのピークは大体16時を過ぎたころから 18時半くらいまでだから、 車の通りも比較的少なくて、 たまに、真横を横切る車は ハイビームを装備していることが多い。 真正面からの車は私の存在に気が付くと それを

まごころ

職場にたどりつくまでの最後の坂道、 気合を入れてペダルを漕ぐと オモイキリの良い音が足元で鳴った。 信号が変わらないうちに 冷静に向こう側へ渡る途中 振り返ると案の定チェーンは綺麗に切断されていた。 今日は会議が重なって、 お昼休みもほぼ存在しないようなものなのに、 とりあえず誰に聞いたら直す場所がわかるのかを 考えながら駐輪場に自転車を止めた。 はじめに会った職場のお姉さんに 今朝の自転車の件を相談すると 「それは大変!」と 自転車屋さんを教えてもらうだけにとどまらず、