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本を読んで考える006

 頭のいい人シリーズ。この前に読んだ西岡壱誠さんの本の中で独特なものの見方が出来る人で紹介されていた。

 本を読むことの利益のひとつは自分だけでは出来ない目線やものの考え方を知れること。分かってはいるけれど、あんまり好きじゃない人の本は食指が進むものではない。
 ホリエモンが言うように、僕もひろゆき氏は人を小馬鹿にして見下して生きている人という印象がありました。でも本著を読んでみると少し違いますね。日本の報道というフィルターの影響が大きい。
 人の話は聞いてみるもんです。きっかけをくれた西岡さんはやはり人を巻き込む力のある人。

 ひろゆき氏は思いの外、人懐こい人。一個下でほぼ同世代。団塊ジュニアのケツの方で、失われた世代の最初の方。
 一方ホリエモンはちょっと上の団塊ジュニア世代。ちょっとしか違わないけれど、一番人が多い世代は受験とかヤンキーとか競争が激化する。東大に入学するってことは何人か殺害しているのと大して変わらないくらい激しい競争を勝ち抜いたんだと思う。

 恐らくひろゆき氏はそのあらゆる競争と対峙しているのだと思う。恐らくというのは、まだこの一冊だけでは個人を信頼するまでに至らないのと、契約書や訴状なんかの文章が得意な割には、本著は肝心なところが言葉足らずに濁して記されていると感じる部分が多い。
 だから競争が得意なホリエモンにとっては馬鹿にしていると思うところが多いのだろう。たぶんマウンティングしようとしてるのはホリエモンの方だろう。年上だし。

 あえて競争そのものには触れないよう避けているのかもしれないが、要約すると競争を降りることを提言している。
 無双とは他に並ぶものが無い唯一のこと。土俵に上がらなければ競べられないでしょという緩さだ。

 しかし全く他人事かというとそうでもなくて、今の日本の情勢を憂慮している。ものの見方は人生とか立場で変わってきて当たり前だと思うけど、やっぱり中身というかその解像度の違いは秀逸だと感じる。頭のいい人だ。
 日本やばいけど、何とかなんないのかなあというのが本著も含めた本の出版の趣旨なんではないだろうか。

 完全自由競争経済の実現こそが平等の分配をもたらすのではないかと考えていたが、日本の社会は生産能力の低い国民にどうやって一律に分配するかしか考えていない。弱者優遇のハンデを設けて椅子取りゲームをさせて経済成長なんて出来るわけがない。そんなことしてたら衰退するに決まっている。

 悲観的だとは思うもののひろゆき氏の「日本は詰んでいる」には概ね同感。
 ドラッカーなんか一時期流行ったがへったくれもクソもない。マネジメントなんか日本社会で見たことない。

 景気の良い時にゼロサムゲームと椅子取りゲームのノウハウしか学んで来なかった社員がポストコロナ、ウィズコロナを乗り越えられるわけがない。

 さておき結局のところあまり実践しようという気になる現実味のある無双方法は書かれていないが、取り敢えずクレジットカードとか無駄なものを処分して、時間があれば会社を登記したいと思いました。

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