高木瑞穂著「売春島」を読んで思うこと
花房観音さんの本が好きで、新刊が出る度に必ずチェックしています。
彼女の著書「うかれ女島」が出る時に、ご本人がこの本を紹介していたので、「うかれ女島」を読む前に、売春島と呼ばれている三重県にある渡鹿野島をレポートしたこの本を読む事に。
(「うかれ女島」は、この売春島と呼ばれる渡鹿野島がモデルに書かれているようです。)
ヤクザとお金が絡み、巨額の富を生み出した島で何が行われていたのか、その島で娼婦として働く女性達の姿、島の生い立ちの歴史、どのようにして売春島となっていったか、サミットを機に衰退していく島の様子が書かれたこの本。
スキャンダラスな売春にのみフォーカスを当てた内容で無いところが、とても良かったなと思いました。
今迄、閉ざされた小さな島で行われている事だからとお目溢しもあったのに、サミットという外圧に押され、世間の売春を見る目も厳しくなり、また女性達も遠いこの島を目指すメリットも無くなり、この島で客を取る女性達も少なくなり、近年衰退激しい渡鹿野島。
どうしても売春で潤っていた頃の豊かな時代を知っている人達ばかりが島に残り、その人達の高齢化が進み、クリーン化の波に上手く乗れていない印象を受けましたね。
ここの島を知る男性達は、この島を桃源郷と呼びましたが、ここで娼婦として働く女性達はどうだったんですかね…
女性でも桃源郷の人も居たんでしょうが、その逆の人達も当然居たんだと思いますが…
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