『平和を願って』Day24
千羽鶴
(the thousand paper cranes for peace)
2022.3.23作成分(24個)
これに前日分を合わせると
9連目の完成✨
さて、今日は、かなり固い話になりますが
お付き合いくださると嬉しいです。
こちらの本の一部をご紹介。
買ったのは、おそらく大学生の頃。
それから10回は引越し、その度に本を売ったりしていますが、残してありました。
忘れてしまっているので、また読んでからnoteに投稿しようかと思ってましたが、タイミングは今だろうと、とりあえず付箋を貼ってあるところをご紹介。
カントがすでに約200年前に、軍事力によらない平和のメッセージを発信していた。
『永遠平和のために』(Zum ewigen Frieden)がそれである。
カントは、常備軍の段階的廃止を主張し(第三条項)、軍備拡大による軍事費増大や軍隊の保有それ自体が、先制攻撃の原因になることを鋭く指摘した。
そして、国家が殺人目的で人間を雇い、人間を道具として扱うことは人間性の権利と調和しないことを強調した。
カントの倫理学の定言命法では、人間は自他の人格をつねにそれ自体として扱うべきであって、単なる手段として扱ってはならないからである。
さらにカントは、国家間では、いかなる懲罰戦争も考えられないとし、殲滅戦では、双方が同時に滅亡し、それとともにあらゆる正義も滅亡するから、永遠平和は人類の巨大な墓場の上にのみ築かれることになろう、と指摘しつつ、このような戦争と、そうした戦争に導く手段の使用は、絶対に禁止されなければならないと述べた(第六条項)。
永遠平和への道のりは、(1)国内体制に関しては、共和制の確立(第一確定条項)、(2)国際体制に関しては、自由な諸国家の連合制度の確立(第二確定条項)、(3)世界市民法に関しては、普遍的な友好権の確立(第三確定条項)、を強調している。
カントの平和論は、今日にもなお当てはまる重要な問題提起を含んでいる。
とくに、国内体制のありようを、対外的な関係に連動させていく視点は重要である。
国内で民主主義を抑圧している国が、対外政策において平和的であるはずはない。逆に、対外政策を平和的にするためには、国内的な民主主義の確立が必要である。
もちろん、国民国家それ自体が必ずしも常に平和的というわけではなかった。
しかし、国内の民主的政治過程が確立されれば、戦争への道を阻止することも可能となり、その意味では両者は大いに関係があるといえよう。
【引用元】
『武力なき平和』水島朝穂 岩波書店
P232
第6章 軍事力によらない平和
三 「軍事力によらない平和」をめざして
(1)カント『永遠平和のために』のメッセージ
より
どこからご紹介するか悩みましたが、
いきなり本の後半である232ページから引用しました。
要約すると
戦争という手段を使うと、いつか全てが滅びてしまう。
国民にできることは
自分の国を戦争ができる国にしないこと。
それがひいては国際的平和に通じる道である。
民主主義が実質的にも機能していれば、国民は投票という行為によってその意思を示せるということですね。
(引用文「国内の民主的政治過程」とは、選挙や国民投票によって国民が政治参加すること)
カントの『永遠平和のために』も気になり、検索すると
NHKの100de名著シリーズで放送されてました!
「永遠平和のために」が書かれた18世紀のヨーロッパでは、国家間の紛争が頻発。
民衆たちが戦争を忌避し平和を希求する一方で、国家間のエゴが対立しあい、一部権力者たちによる軍備拡張や戦費の増大がとめどなく進んでいました。
巨大な歴史の流れの中では、戦争を回避し、恒久平和を実現することは不可能なのかという絶望感も漂っていました。
そんな中、「国家」の在り方や「政治と道徳」の在り方に新たな光をあて、人々がさらされている戦争の脅威に立ち向かったのがカントの「永遠平和のために」です。
そこには、「常備軍の廃止」「諸国家の民主化」「平和のための連合創設」など、恒久平和を実現するためのシステム構築やアイデアが数多く盛り込まれており、単なる理想論を超えたカントの深い洞察がうかがわれます。
それは、時代を超えた卓見であり、後に「国際連盟」や「国際連合」の理念を策定する際にも、大いに参考にされたといわれています。
【引用元】
NHK100de名著 名著57『永遠平和のために』より
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/57_kant/index.html
アーカイブで全部観られると嬉しかったんですがありませんでした。
(第一回の冒頭?2分ぐらいの映像のみ)
再放送して欲しい~~~~!!!
今でしょ!(セリフが古いわ)
長くなってすみません
最後までお読み下さり、ありがとうございます<(_ _)>✨
トップ画像:ハナダイコン(花言葉:知恵の泉)