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どうして胃が痛いのか

思えば夏ごろから胃がシクシク痛んだ。
空腹のときは特に痛くなった。
8月に、パート先のクリニックで【胃癌リスク検診】をしてもらった。
結果ピロリ菌はいなかったため、『精神的なものじゃないか?』と言われた。
(ピロリ菌がいないと、ほぼ胃癌のリスクはないらしい)

たしかに胃が痛くて検査する患者さんの多くは、なんの異常もない。
異常がないのに胃が痛くなるのだから、人間とは不思議な生き物だ。
【異常がない】と言われてホッとする患者さんもいれば、【やっぱりメンタルなのか】と落ち込む患者さんもいる。

私はそのとき、【そんなにストレスないけどなぁ】と疑わしく感じた。
けれども頭が考えていることと心が感じていることは微妙にちがうのだろうし、どうであれ体を大事にしなくちゃいけないと思った。
具体的に何をしたかというと、【よく噛んで食べる】こと。

長年、子育てや仕事の性質上、早食いが当たり前だった。時には立ったまま流し込むような食べ方もしたし、『早く、急がなきゃ』と生きてきたのだ。

胃カメラ検査に立ち会っていると、胃の機能が落ちているひとは、消化が悪いのだと気づく。
前夜の食事を消化しきれない。
キノコなんて、そのまま残っていたりする。

食べ物を少しでも細かくして胃に送ってあげることが、胃の負担を減らす第一歩なのだろう。
そんな当たり前のことを50歳になるまで意識もせず、【よく噛んで食べましょう】という、耳にタコができるほど聞いてきた教えをないがしろにしてきた。
反省。

ともかく、よく噛んで食べるようになった。
これがまあ、面倒くさい。アゴが疲れる。
当然、時間がかかる。
ビールでカーッと流し込みたい衝動を抑えて、時間の流れをゆっくりすることに集中する。
だって子育ては終わったのだ。
パート自体は忙しいけれど、家でひとり過ごす時間はたっぷりある。
なにも、もう急ぐ必要はない。

しかし習慣を変えるというのは、なかなか大変なもので。
隙あらば何かを済ませなきゃと思うし、
一日でも洗濯を溜めると不安になるし、
パートを休ませてもらうと「迷惑かけた」と罪悪感に苛まれるし、
体調が悪くても旦那のゴハンを作ってしまう。

(私は、甘えるのが苦手だ。
誰かの負担になるのが恐ろしい。)

迷惑かけてもいいじゃないか。
ごめんね、ありがとう、助かる、お願い、って、素直に人を頼れるようになりたい。


よく噛んで食べるようになったものの、相変わらず胃が痛んだ。
自然にお酒も減った。
(ビールを飲むと、余計痛くなる気がするのだ。)
仕事中に胃痛をガマンしていたら貧血を起こしてしまったこともあった。
点滴をしてもらった。
仕事の途中だった上にナースの仕事を増やしてしまい、これまた罪悪感。
また胃が痛くなったらどうしよう。
そう思うと、ますます痛くなった。

一昨日の夜から連続的に胃が痛くなった。
パート先のクリニックで胃薬を処方してもらった。『この薬が効かないなら、胃が原因じゃないよ』と言われた。

効かなかった。
昨日は激痛が襲い、眠ることもままならなかった。救急の受診も考えたけれど、嘔吐がない、熱もない、だから緊急性はないかも、と自己判断。
朝まで待った。

そして朝一で、パート先のクリニックを受診。

私は過去に2度、腹部の手術を受けている。
そのため内臓の癒着は免れない。
『癒着の影響かも知れないね』ということだった。
まだハッキリは分からない。
とりあえず血液検査(腫瘍マーカー)をしてもらった。
来週、エコーと胃カメラの検査をする予定だ。


相変わらず胃は痛い。
迷惑をかけた。
みんなに申し訳ない。
…とか思わずに休まねば。

クリニックのスタッフは、検査代が無料になる。
(甘えるのが苦手な私は、奢られるのも苦手。)
検査代ももちろん、取ってほしい。

…とか思わずに、甘えなくちゃ。
感謝、感謝だ。


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