「死にたくなったら電話して」を3度読み、初美のセリフで人生を考えさせられた
「死にたくなったら電話して」ちょっとだけ刺激的なタイトル。ドキッとしましたか?
気軽に「死にたい」など死に関する言葉が使われる昨今ではそこまで驚く人もいないかと思いますが…わたしがこの本に巡り合ったのは数年前。
友人と遊ぶ約束をドタキャンされたわたしを見て、かわいそうだと母がいくらかの(覚えてないけど多くて千円とかかな)お小遣いをくれて。笑
その足でブックオフに向かい見つけた本です。
高校生のころだったかな。たしか受験もおわっていたような。あとは大学入学を待つだけ、高校生活を終えるだけ…みたいな時期だったと思う。
受験中とか、何か目標があるときは忙しくて、いろんなことを考える暇もないんですけど、入学までの数か月はバイトもせずだらだら過ごしていたんですよね。今思うと何かしてればよかったのかな。
そう、そして、この時期はひまだったのもあって、「死」というものについて考えることが多かった。
死んだらどうなるだろう…死んだ後も意識はあるのか…とか、怖くなって眠れないような考えすぎてしまう日なんかもあったりして。
そんな時期だったからか、「死にたくなったら電話して」というタイトルにピンときて。ズラッと並んでる本の中からこれだけが目に入った。
本のタイトルに「死」ってつくのはそこそこ珍しいですよね。反対に、「生」はよく使われているイメージ。
でも思いかえせば、小学4年生のときにも「麻衣ね、死ぬのがこわいの」という本が目に入り、手にとったことがある。(書きながら思い出しました)
小さな女の子の白血病の闘病のお話でした。振り返ればなんだか、「死」というものに惹かれやすい。興味が強いのかもしれませんね。
前置きが長くなってしまいました。
3度も同じ小説を読んだのは初めての経験です。なので今回こちらの本を読み終えて、考えたことを書いてみようかなと思います。
本書の考察ではなく、あるセリフを聞いて、考えたことです。前後の状況も関係ないです。セリフ単体から派生していった自分の考えなので、本からは結構かけ離れます。
どうやらわたしは言葉のフレーズ単体で捉えるクセがあるみたいなんですよね。
歌詞とかもめちゃくちゃ好きなフレーズがありはするんですが、歌詞の意味はそこまで考えないタイプなんです。だからたぶん、「感想」は書けても「考察」は書けないタイプ?なのかな。
いずれ、「考察」もできるようになったらかっこいいなぁとは思いますが…
脱線してしまいました。では、本題に入ります。
23歳、社会一年目の今のわたしだからこそ感じるんだろうなぁと思いますが、久しぶりにこちらの本を読んで思ったこと。
「初美のように自分の世界で生きていくという考えも忘れたくないなぁ」
なんでこんなふうに思ったのか、わたしの好きなシーンとともに話していきますね。
そのまえにちょっとしたあらすじ。
主人公の徳山は、三浪中。居酒屋でバイトをしており、そこの従業員仲間には「医学部でもないのに三浪して居酒屋でバイトなんて」と舐められ、さらに仕事もできないことから徹底的に見下されている。
しかし、見た目は高身長、小顔、イケメン。地元のチラシのモデルをやったことがあるというがそれすらも“その程度”とバカにされる始末…。
そんな彼が、従業員仲間と朝キャバに。そこで出会ったNo. 1キャバ嬢の初美に初対面で執拗に気にかけられる。そして、徳山と初美はだんだん深い仲になり……
あらすじはこんなもんですかね。
では、次はわたしの好きなシーン。
キャバクラで居酒屋の先輩が、徳山のことをこれでもかと貶したくります。その後の初美のセリフに注目。
「こいつには第一印象でたいがいの女が騙されるけど、いやいやこんな奴、ただのボンクラやから。仕事もできんとホールにボケッと突っ立っとただのボンクラやから。仕事もできんとホールにボケッと突っ立っとるだけのボウフラ男やから。まあそのうちすぐ、こいつの空っぽさがわかるって」
ここからが気持ちいい初美のセリフ
「素敵」と間髪をいれず初美。「だって、仕事なんて、どうでもいいですもんねえ?しょうもないもん。そんなんどうでもいい。労働の美しさとかプロ意識とか、そんなんウソウソ。洗脳、洗脳。仕事ができない?ええやん別に。器用不器用だけでその人の価値測られたくないって。ねえ、違います?」「仕事できます自慢とか、お金持ってます自慢とか、いい大学出てます自慢とか、ホンマどうでもいい」
あ〜!!!
最近のわたしは「仕事で成果を出したい!」「それこそがわたしの価値だ!」「仕事のできる人間になりたい!」
そんなことばかり考えていました。
学生時代、卒業間際にゼミで良い成果を出せた経験があったからかな。
会社での成長、結果これらが良ければ良いほど、人間として優れているような気がして。
「優秀な人間」「価値のある人間」になりたい気持ちが強くて。そのために仕事を頑張ろうと思っていたんです。
でも、これってある方向だけから見た話ですよね。なんていうのかな…成果主義?資本主義?の世界から見た話。
人生を多角的に見れば、初美のように「仕事なんてどうでもいい」という発言ももちろん尊重される考え方なんですよね。
ここ最近のわたしには全くない考えでした。
主体的で、合理的で、効率的で……それこそが素晴らしい、とまで思っていた自分の思考の固まりように気がつかされました。
だらけることは悪、生産性のない時間は無駄…みたいな考えが自分の中にあるんですよね。
元来、私はだらけることやゴロゴロ生産性のない時間をただただ過ごすことも好きなのですが、そういう日を過ごすと「1日無駄にしたかなぁ…」なんて落ち込むこともよくあり…
だけどそんな自分を肯定できるような言葉なんですよね。
仕事から目を背けたい、現実逃避的意見なのでは?と思うかもしれません。
でも、そうではなくて。
これからも、仕事に対する向上心は持ち続けていきますし、頑張り続けていこうとは思います。
ただ、それだけが人間の価値ではないということを心に深く刻み込みたいなと思うのです。
人の素晴らしいあり方なんて決まってないなと。
仕事の面だけ見て落ち込むのも減らせていけたらな。結構引きずってしまうタイプなので💦
ストーリーの文脈に沿った受け取り方ではないんですが、仕事をなんてどうでもいいとハッキリ言う初美にはなんだか勇気をもらえました笑
初美のセリフにはほかにも気になるものがあるので今後も何か書くかもしれません。
本自体の感想もいつか書いてみたいかも。でも、むずかしそうだなぁ…笑
何かしらの影響を与えてくれる本だとは思うので、気になる方は読んでみてください😌
Amazonで、電子書籍も出ていますよ⭐
ちなみにわたしは電子書籍も買っています笑
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました!
感想や気になることなどあればコメントいただければ嬉しいです😊
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