フレンチアルプスで起きたこと 映画感想 咄嗟の行動が人の本性と言われるが
スキーリゾートにやって来たスウェーデンの家族
レストランで雪景色を見ていたらそれは雪崩だった
父親は咄嗟にスマホを掴み一人で走り出す
怪我人はいなかったが、母親はその行動に激怒する
リゾート地で過ごす何日かの話
冒頭で雪崩の事故が起き、父親の行動を母親がずっとネチネチと責める
たったそれだけで作品が成り立っているのがすごい
有事のときに人の本性がわかる
たしかにそれはそう
父親は子供のことなど考えずに逃げ出す
これに対して不満を持つのはもっともなことだろう
怒るのは自然な感情だと思う
と、進めていくと、しつけええええええ!ってなっていく
それもそのはず
何故なら父親はなかなか逃げたことを認めない
さっさと、咄嗟に逃げてしまったごめんねと謝罪していればネチネチ言われなかった可能性はある
さらに謝罪していたら、まだネチネチ言うお母さんはおかしいよと子供たちに止められていただろう
咄嗟のときの行動に本性が出る
しかしその後に謝罪出来るか否か そこが重要なのだと作品に教えられる
ここからネタバレ
ずっと謝罪を避けて、俺逃げてないしを貫いた結果、父親はプライドを粉砕されるまで追い込まれる
母親は父親の逃げた場面を偶然取っていた動画(雪崩がこんな大事になると知らずに撮っていた)を他の人たちにも見せて、ほら、逃げているでしょ逃げているでしょうと自分の正当性を主張する
子ども達は両親が離婚するのではないかと不安がる
しかしそれでも父親はプライド粉砕されるまで謝罪をしなかった
泣き崩れ情けない姿を見せ、ようやく溜飲を下げる母親
謝罪一つしなかっただけでここまで追い込まれるの怖いね!
だが物語はもう一つの出来事を用意していた
帰りのバスで危険運転から母親は危ない危ないとヒステリーを起こし、一人降りだす
父親がやったように子供放置、父親は当然無視して一人で降りる
そこから他の乗客も続くのだけど、
なにか言い訳がましく「危なかったわよね?」と他の人にも聞いている
父親はお前も同じことやっているなというドヤ顔をしながら息子と一緒に歩いている
煙草を他の人にもらって吸う顔がとても絶妙
さらに子供が「え、たばこ吸うの?」と驚く
子どもが生まれてからずっと禁煙をしていたのだろうとわかるシーン
つまり父親は咄嗟には逃げ出したももの、ずっと良い親をやっていたのだろう
何もかも解放されたような清々しい顏
後ろでは娘を他人に「抱っこしてくれる?」と言っている母親
親も人間なんだなと見せてくれる面白い作品だった
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