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あんのこと 映画感想 実話ですか…

杏は覚醒剤使用の容疑で警察の取り調べを受ける
その担当の多々羅刑事はいきなりヨガを始める
ヨガがいいんだという多々羅刑事は元薬物中毒者の会を主催していて、杏をそこに連れて行き薬と手を切らせ、職を紹介する
記者の桐野の助けもあって念願の介護職につくことが出来るが…


最初のテロップ、実話に基づく
この時点でもう何か、予感がしていた

母親からの虐待
唯一の味方だった祖母の身体が悪くなり、それを盾にして母親から搾取され続ける
「おばあちゃんが死んだら、あんたの所為よ!」
この台詞に耳を塞ぎたくなる
いやいや、あんのせいじゃないよ
こうやって罪悪感を植え続けて支配していたんだな

多々羅が生活保護を受けられるよう申請しに行くが、働けの一言で却下される
小学校もまともに出ていない(万引きがばれ、さらに母親に売春を強要されたため)杏は字も満足に読めない
それを「自己責任」で切り捨てられる恐ろしさ

闇バイトは絶対に肯定しませんが、「自己責任」でしょで切り捨てられたら、もう極刑でもいいかと犯罪に走る人がいるのも救われるべき機関で救われないのもあるのでは?と考える


多々羅刑事に出会えてよかった、と思うでしょう
これがフィクションならばよい人達との縁が繋がって良かった良かったで終わる
そうならないのが現実

佐藤二郎さん演じる多々羅刑事の誠実な部分、そしてそれだけではない部分
名演技です 

鑑賞後はもしもコロナがなかったら、多々羅が後ろ暗いところなかったら、記事が出なかったら、母親とあそこで会わなかったらとずっとそればかり考えてしまう

福祉ってなんだろうとも。

しばらく引きずりそう


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