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犬と人にも出身国による共通点はあるのかな?
ブエノスアイレスにはお犬の散歩業というのがある。各家からワンコをピックアップして、公園のドックランに連れて行くお仕事。町歩きをしているとよくすれ違うのだけれど、バリオ(区)によって犬種の傾向が違うのは興味深い。富裕層エリアはやっぱりお品の良いお犬が多いみたいだ。
わたしは犬を飼ったことがないので詳しくないけれど、犬種によって性格差があるのは聞いたことがある。出身国による違いもあるのだろうか?そして日本の犬と日本人の性格が似ているなんてことがあったりするのだろうか?
そんな訳あるかいな?とわたしは思うのだけど、アルゼンチン人novioによると、似ているらしい。
彼はわたしと付き合い始めた頃に、困惑することが多かったそうだ。一言でいうと、距離感がつかめない。嬉しいのかそうじゃないのか、機嫌がいいのか悪いのか、全然わからなくて対処に困る。日本人は感情表現をあからさまにしないし、相手を気遣って、本音を言わないという性質もあるので、アルゼンチン人にとっては本当にわかりづらいのだ。
あるとき彼は、若い頃に飼っていた秋田犬のことを思い出したそうだ。こちらでもAKITA-INUと呼ばれる。彼の犬はスペイン語のSumar(総ての意味)と相撲にかけて、SUMOと名付けられた。このSUMO、まったく愛想っけがなかったらしく、ご主人と遊びたがったりしない。彼が撫ぜたり抱いたりしても、ほんの一瞬そこにとどまるが、ふと「もういいでしょ」みたいな顔をして行ってしまうのだとか。一方で、賢く忠実、勇敢で番犬としてとてもいい働きをしたという。治安の悪いアルゼンチンでは、飼い犬は可愛い家族の一員というだけではなく、護衛の役割も期待されるらしい。
さて、彼はこのSUMOと、わたしは似ていると気づいたときに、まさに膝を打つような感覚だったらしい。やっとわたしの扱い方が分かった、というか、困惑のタネが減ったことが大きな収穫。要はパーソナル空間が広くて、無言と孤独も愛せる個体が存在することを、心底理解できたということかもしれない。
わたしとしては犬と一緒ですか〜、と内心複雑ではあるが、彼の心労が減ったのはよかったし、無言のわたしを放置しておいてくれるようになったのも喜ばしい変化。
未だ個体としてのSUMOとわたしが似ているのか、ざっくり日本犬と日本人が似ているのかの真意は謎のままだけど、まあ、いいか。
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