レーシックとICL、強度近視の私が選んだのは...メリット・デメリットまとめ
子供の時からメガネ・コンタクトが手放せない生活を約20年。裸眼視力は0.03~0.04(コンタクトでいうと-6.0D程度)、メガネとコンタクトがなければ、50cm先の文字すら見えない視力弱者。
「目の手術なんて絶対やりたくない、怖すぎる!」と思っていた私が、2024年1月に近視矯正手術を受けた。自費診療なので、一般的な治療に比べるとはるかに高額である。術後2週間経ち、視力は1.5まで回復した。個人的には「人生で一番効果がすぐに出る投資ができた」と思っている。一方で、安全性が高いとはいえ、手術である以上リスクがゼロではないため、万人にお勧めできないのも事実だ。
アンチレーシック・ICLの私がなぜ手術をうけたのか?手術の決断から術後の見え方まで、個人の記録としてまとめることにした。
※あくまで個人の経験談です。正確な情報は医療機関または論文等を参照してください。
1.なぜ手術を受けたのか?
約20年もメガネとコンタクト(ソフトコンタクトレンズ)を使ってきた。日中はコンタクト、夜はメガネ。問題あるかないかで言えば、「生活する分には困らない」このまま一生メガネとコンタクト生活を続けるつもりでいた。
ただ、メガネとコンタクトに悩まされ続けてきたのも事実である。
特にスポーツ時のメガネ。汗で汚れるし、はずれそうになるし、不便で仕方がない。
強度近視なので、どれだけ薄型のレンズを選んでも、メガネは牛乳瓶の底のように分厚く、目は小さく見える。メガネをかけた自分の顔が、どうしても好きに慣れなかった。
そのため、基本的に日常生活ではコンタクトを愛用してきた。しかし、コンタクトも丸一日つけられるわけではない。どれだけ目薬をさしても夜には目が乾く。コンタクトをつけたまま寝てしまい、翌朝激痛に襲われたり、コンタクトが目の中で割れたり…ワンデイ・2week・カラコンとありとあらゆるコンタクトを試したが、トラブルが絶えなかった。
海外旅行・ダイビング・登山が趣味なので、メガネ・コンタクトの使用は不向きだとは前々から思っていた。「裸眼で旅したい、面倒さから解放されたい」と思い、手術を決心した。
2.レーシックはICLと何が違うのか?
おそらくこの記事を読んでいる人は、どちらが良いのか迷っている人が多いと思う。
一般的には「-6.00D以上の強度近視はICL、それ以下であればレーシックがよい」されている。調べてみたところ、それぞれ術式も違えばメリット・デメリットも大きく違うことがわかった。
レーシック
メリット
・ICLに比べ、費用が安い場合が多い
・乱視の細かい調整が可能
・ほぼ機械で全て行うため、安全性が高い
・手術して翌日には視力回復。手術後の制限も少ない。
・問題がなければ、定期検診の必要はなし。
デメリット
・ハローグレア現象が起こる(夜間に強い光をみると、光の周りが滲んだように見える)→数ヶ月程度で改善するらしい
・ドライアイになりやすい
・時間が経つと、視力が元に戻る(元の悪かった視力に近付いてしまう)可能性がある。→これは削った角膜が多い強度近視の人ほど起こりやすい。
・角膜を削る量には限界があるため、強度近視の人(-6D以上)は手術不可
ICL
メリット
・ハローグレアが起こりづらく、綺麗な視界を得やすい
・ドライアイになりづらい
・視力が悪くなったら、レンズの交換が可能
デメリット
・レーシックに比べると、費用が高額になる
・乱視用レンズは回転リスクがあり、回転した場合は再手術が必要になる
・医師が直接手術することもあり、手術時の感染症、合併症のリスクはレーシックより高い
・手術後の制限が多い
・年一回の定期検診を永久にする必要がある。
ちなみに、どちらの術式も「近視が進行する」ことを抑えることはできない。手術後にPCやスマホを近距離で見続ける生活を送れば、再度近視になってしまう。
3.どの手術を受けたのか?費用は?
手術前の私の目の状態は、下記の通り。
・裸眼視力 右目-6.0D 左目-6.5D
・軽度乱視 右目-1.0 左目-1.25
カウンセリングを受ける前は、「近視が強いのでおそらくICL一択だろう」と考えていた。
3-1.先進医学会でのカウンセリング
一つ目は大手近視矯正手術の一つである、先進医学会。カウンセリングではICLを勧められた。
「近視が強いので、レーシックだと元に戻る可能性が高いです。乱視もあるので、乱視用レンズがおすすめです。ただ、軽度なので乱視用にしなくてもいいです。見え方の違いだけなので」
提示された費用
・ICLレンズ両眼 460,000円(税込)
・-3D以上の近視レンズ 66,000円(税込)片眼
・乱視用レンズ 66,000円(税込)片眼
両眼とも-3D以上かつ乱視のある私は、総額724,000円ほどかかる計算になる。高い、覚悟はしていても高いものは高い。乱視用にしない場合でも、約60万円である。
*料金は2024年8月時点のものです。最新情報は公式ウェブサイトを参照してください。
3-2.品川近視クリニックでのカウンセリング
2つめは、品川近視クリニック。こちらも近視矯正手術の大手医院であり、東京・大阪・福岡・名古屋・札幌の5都市で展開している。友人がこちらでレーシック手術を受けたため、友人紹介割引が受けられるとのことでカウンセリングを受信した。
ここでもICLを勧められると思ったが、一つ目の病院とは違うことを言われた。まず、私には選択肢が3つあるとのこと。
A.レーシック+角膜強靭化 費用:54万円
・角膜の厚みがしっかりあるので、当院ならレーシックも可能
・乱視の細かな調整はレーシックが向いている。
・ただ近視が強く、角膜を多く削る必要があるので、視力が元に戻る可能性は非常に高い。削った角膜の変形を防ぐ『角膜強靭化手術』を同時に受けるほうがいい
B.ICL 費用:64万円(強度近視-5.00D以上+乱視用レンズ)
・両目とも乱視があるので、乱視用レンズを入れた方が綺麗な視界を得られる
・ただ、乱視用のICLは回転リスクがある。回転した場合は再手術をして、元の場所に戻す必要がある。
・乱視用レンズは0.5刻みであるため、0.25レベルの細かい調整はできない。
・毎年必ず検診を受ける必要がある。将来白内障手術をする際に、必ずICLを取り除く必要がある。
C.レーシックのみ(費用:15万円~35万円)
・費用としては一番安い(ただし一番安いプランは、古い機械を使用している)
・近視が強く角膜を削る量が多いため、視力が下がる可能性が非常に高い。レーシック単体よりは、ICLがおすすめ。
つまり病院としては、A→B→Cの順におすすめ。ICL手術は基本的に、レーシックを受けられない患者に勧めているらしい。私の場合もこれ以上近視が強ければ、ICLを勧めていたと言われた。
「患者様の場合は、最終的にご本人の好みで決めて大丈夫です。もちろん手術なので、どれを選んでもリスクが0ということはありえません。よく検討して上でご決断してください」
*病院によって意見が異なるのは、在籍している医師や機械によって、提供可能な術式が違うからとのこと。病院によって得意な術式が違うらしい。
こんなに迷う選択肢があるだろうか…?
近視が強い+乱視があるため、ICLが高額になってしまうのは仕方がない。人生で何度も受ける手術ではないだけに、後悔する選択だけはしたくない、どうするべきか…
結局品川近視クリニックでA.レーシック+角膜強靭化手術を受けることにした。友人の紹介割引を適用して、総額54万円かかった。
診察費・検査費・手術費・薬代・保護メガネ代を全て含んだ金額であり、手術後2週間の現時点で、追加の費用は一切かかっていない。
次回はレーシック手術当日〜術後までをまとめる。