バナナの涙 6
🍌バナナ
🍒サクランボ
🍑桃
いつも一緒の🍌と🍒。 🍌は🍒に、いつか🍑になるんだとよく語っている。いつも怠そうな🍒だが、化学肥料(女ホル)散布が中止されているため、🍌も🍒も少しばかり元気でいる。
「何で化学肥料散布が二週間も止まっているの?もしかして、SRS(性別適合手術)の準備とか?やっと🍑になれるの?やったー!」
🍌は すみれ に関して何故かいろんな事を知っている🍒に、はしゃぎながら聞いた。
「おいおい🍌、先走るな! どちらかと言えば逆だよ。」🍒は浮かれ気味の🍌の肩を叩きながら言った。
「えっ!どういう事?」
「すみれは前の健康診断で、血圧が少々高いって云われてて、それが気になっていて、最近家庭用血圧計を買って血圧を測ったら、あまり良くない数値が出たらしい。
原因が分からないので、とりあえず化学肥料散布を止めて、逆に血圧を下げるサプリメントを飲み始めたのだけれども、正月明けに内科を受診して、血圧を測ったら、上が160、下が120くらいの数値が出てしまったらしい。
この数値で、SRSどころじゃなくなったみたい」🍒は更に話を続けた。
「内科受診した時は、甲状腺の状態を確認する血液検査と心電図、そして頻脈状態にあったので、心臓が肥大していないかどうか、胸のレントゲンも撮ったみたいだ」
「そんなに悪いの すみれは?」🍌は🍒に聞いた。
「お前が🍑になれるかどうかは、明日の検査結果次第かな。て云うか、すみれ、SRS9割方諦めている感じかな。ジェンダークリニックであんな事もあったし、昨日も今日も未だに消えない記憶が、刃物となって切り裂いてきたみたいだし、だからクリニックに行くのに怯えていて、どこにも行く場所がない感じ」
「とにかく、どうなるかは明日の検査結果次第!」
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