友人との子育ての話題で「月収700万中学生キメラゴン」を題材にしてみた話 〜未来の準備・親のアップロード〜
先日、中学時代の友人と2人でランチをしていたときの話。
自分には中学生と小学生の子供が2人、友人は大学生と高校生の子供が2人という家庭。我々は同級生だが、子供たちの年齢には差がある。
子育ての先輩としてアドバイスを求めた
友人の子供たちはとても優秀だった。2人とも偏差値70以上の学校へ通っている。友人も自分と同じ中学で勉学を共にしたが、とても優秀だった。
一方、自分の子供はまだ義務教育中ではあるが伸び悩んでいる。特に長男は、勉学が悩みとなるほどだ。こうなるとやはり結果を出している子育ての先輩に聞いたみたくなる。
「どうやって優秀な子に育てたの?」
答えは意外なものだった。「何もしていない」というもの。
彼の家庭は彼と彼の両親、そして子供2人という構成。奥さんは色々あっていない。やはり仕事も忙しく、勉強についてはみてやることができなかったと言う。彼の両親もとても優秀な方たちだと聞いてはいたので、祖父祖母の手助けがあったのかと思ったが、勉学についてはノータッチだったらしい。
「塾行ってる?」
「うん、○○塾」
友人の子が通っていたのは、地元では有名な塾チェーンで、実績もきちんとあるところ。彼曰く、実績ある塾に入れて、それなりになったからそれで良かったとのこと。彼自身、中学時代は学年で1番という順位になったこともある優秀な男。やはり遺伝子が優秀だから勉強する環境さえ与えておけば、そのような結果は自ずと出せるらしい。
そんな優秀な子の「将来の夢」は
友人について少し語りたい。
彼は銀行マン。地方の小さな銀行ではない。仕事についてはそれぐらいしか知らないが、性格に至ってはコミュニケーションが苦手。能力がないというわけではなく、とにかくコミュニケーションが嫌い。面倒な付き合いなど、断りもせず付き合うわりに、親しい間柄ではその付き合いをとことん愚痴る。本当は人との関わりは極力減らしたいのに、付き合い続けているとても現代を生きるのが下手な男。
おそらくだが、社会で無理やりに付き合いを続けていることの箸休めに、親子関係をサボっている感は否めない。子供の教育については「塾に行かせた」ことがほぼ全てで、自分に教育観などは持ち合わせておらず、友人間の子育て議論には普段入ってこない。この日はサシだから致し方ないだけ。
学生時代から成績の良かった彼は、学生時代に頑張った功績にて銀行マンになった。それは彼の中の正解だったし、子供がそれに近づけば問題ではなかった。
「子供まだ卒業とか先だけど、なんかやりたいって言ってんの?」
「それがさ、漫画家とかそんなこと言ってんだよね」
遺伝子によって優秀な成績を納める彼の子供。しかし、コミュニケーション不足により、意志は遺伝されていない。総理大臣も輩出しているあの大学で、卒業したら漫画家になりたいという子供のことが、彼は理解できないらしい。
しかし今はインターネットがある。優秀であれば、自分の価値を高める術は見いだせるのではないだろうか。そこに漫画が描けるのであれば、それを武器にできる。そんな話を彼にした。
「漫画家になるのに高学歴とかいらんやろ」
いやいや、超いい武器やん。しかし「良いところに勤める」という既定路線がベースの彼には、それは脱線でしかない。
「月収700万中学生キメラゴン」の話をしてみた
他人の家庭のことだが、幼馴染級の友人でもあることから、子供の可能性の芽を摘むのではないかと思い、例を挙げてみることにした。
「キメラゴンって知ってる?」
「あーテレビで見た。あれ嫌いだわー」
知ってた。そして嫌ってた。(笑)
彼がキメラゴンを嫌う理由に、テレビで紹介されていた事例がある。とある中学生が、キメラゴンの活動を見て感化され「不登校になってビジネスを始めた」らしいのだ。番組内ではこれを「問題」として扱っていたようで、友人にとって「迷惑な話」となった。
また少し彼のことを書くと、彼は優秀な割に意識が低い。いや、知識はオバケ級で、情報を詰め込むのは好きだが、能力開発は好きではない。だから成績優秀ではあったが、他に得意なこともなく趣味もない。
彼が「絶対ハマりそう」な頭脳系ゲームアプリを勧めたことがあったが、そういうことの初めの一歩が出ない。始めたらハマるのは古い友人だから分かるのだが、始めない。まあ、始めないのも分かってもいたのだけど。
そんな彼が「規定路線から外れ」「知らないことをしている」「世の中学生に悪影響」なキメラゴンを「嫌い」というのも、特に意外ではなかった。
ビッグダディの元嫁美奈子が、子供と一緒にYouTubeに出演して投げ銭もらってることを受け入れられない美川憲一と同じ構図だ。
子供たちには、これから来たる未来の準備が必要
今月「700万円超え」の収入に到達したキメラゴン。単純にすごいと思わないだろうか。もちろん「学校に行く意味がない」とは思わないし「バイトする」ことを否定はしない。キメラゴン教の信者ではないので、全てを肯定するわけではなし、彼はまだ未成年である未熟さを出しまくっていることは世の大人は百も承知だ。それに「煽り」は「芸」の一部だ。
その上で彼の功績は素晴らしい。むしろ肖りたい。いや、乗っかりたい。テヘペロ
時代は変わってきている。そしてもっと加速し変わっていく。これからの子供たちはそのスピードの中で生きていかなければいけなし、親世代の我々だってそのスピードを掻き分けなければいけない。だってもう始まっているのだから。
それに気づかず、自分が対応できないのは仕方ない(こともないが)としても、その時代の準備をさせてもらえない子供たちは不憫でならない。
子供の未来に必要なものは
この5年ほどでスマホの普及率は爆発的に伸びた。インターネット規格が4Gになって新しいサービスが増えた。決済、SNS、ビジネス、勉強など様々なことがスマホでできるようになった。そして今年、5Gが始まる。5年後、今とは全く違ったことが世の中の常識になっているはず。
今、小学生が夢に描いている職業は存在していないかもしれない。昔「電車の運転士になる」という多くの男の子が描いた夢は「ドローンの操縦士」に置き換わっても、おかしな話ではない。
5Gの普及でデータ送信スピードや容量が増えれば、至るところでAIの活躍も見られるだろうし、物理的な移動を伴わずに各地に行くことができる。
要は時代の移り変わりが早すぎ、今の子供たちの未来は準備期間を十分に持てない。スピーディな対応が求めらる時代になることが想像できる。
では、子供たちに何が必要か。それは「普遍的な能力だ」
プログラミングってなんで必修化されたの
今年の4月、教育改革がある。まだ内容について詳しく知らない大人が多い。「英語とプログラミングが必修になるんでしょ」ってくらいの知識が一般的なようだ。
子供たちが習うのはプログラミングではなく「プログラミング的思考」だ。特に小学生はコンピュータ言語など一切触れない。コンピュータ言語を習得することが目的ではないからだ。
文部科学省が目的としているのは、時代のスピードやグローバル化によって必要とされる普遍的な能力である「意図を実現する力」を身につけること。
意図を実現するには「思考力」「分析力」「理解力」「実行力」「判断力」「表現力」などが必要で、それらを発揮した末の意図実現となる。こういったナニモノにも左右されずに発揮できる普遍的な力「実現力」という総合された能力を身につけることを文部科学省はこれからの未来ある子供たちに授けたいと考えた、それが今年の教育改革だ。
もう時代は移り変わっている
大手企業がリストラを激化する予想もある。雇用のあり方も、戦後から受け継がれた日本の当たり前が、当たり前ではなくなるという見方もある。我々が生きた学生時代とは同じではないと、我々親は認識を改める必要があるのではないだろうか。
友人とのやりとりの中、未来を生きる子供たちのため我々親もアップロードをしていかねばと再認識した。
というお話でした。
普遍的な力が身につくクラブ→赤ねこクリエイティブクラブ 〜YouTubeクリエイションから学ぶ〜
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