ストーリーを紐解いていくと聴こえてくる声。
こんにちは、すまです。
今週もあっという間に週末。
今年度の第一四半期、すまの所属する部署はやや空気が慌ただしいです。
部署というのは「人」で成り立っています。
当たり前のことではありますが、幾ら部署という箱が同じであっても構成する人が変われば、部署のカラーも変わっていきます。
部署の文化は部署という箱以上に、そこにいる「人」によって継承される、存在するとわたしは思っています。
久しぶりに、この空気を染み染みと感じる1年になりそうです。
不安もありますが、私たちの部署を築いてきてくれた諸先輩方から継承されているものが何か。その根源を改めて発見、理解しながら、そして新しい変化を受け入れ、生み出していく。
そんな1年になりそうな空気を不安をしっかりと受け止めた後は、チャンスややりがいに置き換えてやっていきたいと思っています。
今年度は時期を少しずつズラしながら、構成する「人」の変化が続いています。
4月、5月には当施設に入職をしてくれた仲間が加わりました。
ここ数年はわたしも含め、異動族が多かったので、新しい職員を迎えることができるのは喜ばしいことです。
少しでもこの職場に慣れることや、何らかのやりがいや役割に誇りを持って働いてもらえるように微力ながらサポートしたいと思っています。
入れ替わるように、一緒にこれまで共闘してきた仲間の異動や退職が決まり、職員のカラーは大きく変化しようとしています。
職員が変わることは、少なからず、サービスを利用していただいてる利用者さんにも影響があります。
今年度はたった数か月の間で、ここ数年にはない動きが出ており、少し戸惑いを感じている利用者さんもいることも実際に出てきています。
わたしたちのサービスの強みの一つは、きっとそんな職員と利用者さんとの距離感が近いことなんだと思います。生活訓練は期間限定で利用できるサービスですがその分、密に日々関わり合いがあります。
利用者さんには、
「わたしたちも同じです。戸惑いもあります。そして一緒にこの変化を通して成長していきましょう」
と伝えています。
職員だけでなく利用者さんについても新たにお迎えする人、卒業する人と利用者さんの出入りが少し活発な時期が重なっています。
そんなタイミングで起きることの一つは、利用者さんの担当職員のバトンタッチ。
去る仲間からのタスキを受け取り、残っている職員が、その利用者さん新たな伴奏者となります。
わたしも、6月から新規、引き継ぎの利用者さんを数名、一手に引き受けることになりました。最近は、利用者さんのケースワークや直接支援以外にも職場の運営や業務整理などの運営マネジメント的な役割も増えてきていたので、利用者さんへの直接支援を他の仲間にもかなり協力してもらいながら日々を過ごしていました。
今週は久しぶりに、業務時間の多くを利用者さんのケースワーク、直接支援に特化して過ごす1週間でした。
特に新しく受け持ちさせていただいた人たちについては、ここから新たに人間関係を構築しながら、わたしのカラーも知ってもらい一緒に走っていくことになります。そんな意図も持ちながら面談や生活訓練を行なっていました。
特に、引き継ぎの利用者さんに関しては前任者と利用者さんが積み上げてきたものがあります。
わたしたちの職場では、担当以外の利用者さんとも勿論全員、日々接点があります。計画された支援を担当者がいない時に代行したり、一緒にプログラムをする機会もあります。定期的に利用状況や課題についても職員間で共有しながらやっています。
それでも担当という当事者に立って利用者さんに出会ってみると、よりその方のこれまでの人生で経験してきたことや疾病に伴って生じている生きづらさ(生活障害)について、自分自身がまだ受け取れていないことが数多くあることに気づきます。
残りのサービス利用期間も限られていますので、サービスを提供しつつ、それとは別にその利用者さんとの人間関係を深め、伴奏者として、あるいは目標達成のためのパートナーとして信頼をお互いに持てるように相互理解が不可欠。それを短期間でつくることが重要だと思っています。
今週は、とある統合失調症と発達障害の疑い(確定診断はついてません)のある利用者さんと多くの会話を持ちました。
こうやって1人の利用者さんと多くの時間を共有しながら過ごせることは直接支援がサービスの中心になっている事業所の面白いところでもあります。
初回の面談では、何故か会話のキャッチボールが外れていく感覚。
構えたところにボールが返ってこない。
ボールが外れても、追いかけてキャッチすればいいのですが、ボールを途中で見失う感覚。
そしてそれをわたしだけでなく利用者さんも感じていることも何となく面談をしながらこちらも分かります。
次第にブルブルと震え出してしまいました。
それでも、その人は「ストレスが強くなるとこうなっちゃうんです」とわたしに教えてくれました。
その後2回、3回と面談を重なっていく中で少しずつですが、投げたボールに対して返ってくるボールを見失ったあとに再び捉えるという感覚が今はあります。
その利用者さんの言葉。
その言葉の背景(ストーリー)を捉えた時、何の脈絡もないようにそれまで聞こえていた会話がシフトする。
言葉にされていない幾つかのストーリーを経ての、今実際に言葉してくれた会話なのかもしれないと。そう聴こえてくるようになりました。
少しずつですが、その人の言葉を拓いていく感覚。紐解いている感覚。謎が解けていく感覚。
利用者さんも、これまで伝わらずもどかしかった自分の考えや思い、気持ちが受け取られたと体験していることを表情から感じます。
心が通うことを感じる瞬間でした。
その利用者さんとの二人三脚は始まったばかりです。
正直、一般的には良くも悪くも支援者の感情を揺さぶるタイプの方だと思います。
所謂「大変な人」と起こされがちな人です。
ですが、時々見え隠れするんです。
「自分は障害があって人と違うんだ。」
「上手くできない。」
「一生懸命やったけど、周りの反応が自分の期待していたものと違う。また失敗してしまったんだろうか?」
「でも自分は自分なりにやろうとした結果なんだ。」
「認めてほしい。」
そんな声が。
わたしは、専門職であるとかそんなことは抜きにして、1人の個人としてそんな声を少しでも聴くことができる人でありたい。
そんな気持ちを揺さぶってくれる利用者さんとの日々が始まった。
今週はわたしの消えかかっていた松明に火を灯してもらい、その利用者さんにはパワーをもらった体験のある1週間でした。
(とてもパワーも使いましたが!)
マネジメント業もやりがいがありますが、やはりこうしたやりとりを交わせることがこの仕事の原点。
ストーリーを紐解いて聴こえてくる声に、次も出会えますように。
まだまだ、わたしが聴こえていない声があることも十分自覚しています。
今日も読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
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