部長や課長は励ましながら育てるのが大切
これまで取締役として組織を作ることに関わることが多く、今回は「管理職」にフォーカスしてお話をしてみます。まず、当人が管理職に初めてなる時のことについてですが、大抵管理職になる準備は出来ていないものです。まずはこの当たりから。
会社が管理職をアサインする時の事情
「そろそろ彼も次のステージでがんばる時期だ」なんてドラマのようなタイミングで管理職になることなどほとんどありません。
-前任の管理職が異動(退職)する
-事業拡大(もしくは組織再編)で管理職を増やす必要がある
大体、こんな理由であることが多くアサインする時は都合よく「そろそろ君も、、」なんてマインドセットのために吹き込むものです。だからこそ、日頃から次のステージの準備をしておくことは大切ですが、しかし結局人は知識のインプットで成長しませんので、準備不足になるのは当然のことです。
マネジメントが出来ない理由はそもそも会社の強引なアサインにある
最初の1年くらいは「名ばかり管理職」なのですから担当役員が毎週1on1をやってあげるなどきめ細やかな指導をしてあげるのが大切です。「なぜ出来なかったのか」ではなく「こういう場合はこうしてみると良いよ」と目の前の課題解決策を具体的に教えてあげ、一緒に並走しながらサポートしてあげるのが大切です。
時に疲れて投げ出してしまいたくなることもあるでしょう。実際、会社が依頼し受けてくれるような方は真面目な方が多く、思うようにいかないことを自分のせいにして疲れてしまうこともあるでしょう。ですので、正しく振返りだけし、ネクストアクション決めたら励ましてあげることを徹底的にやってあげることが必要です。
成果と成長を同時に行う辛さを理解してあげる
管理職になったら思うことは
-前任より成果を落としてはいけない(更にプラスの成果も出したい)
-自分なりの新しい取組みをしたい
ということです。無理やり取り組もうとするとむしろ成果が下がったり、スタッフのマインド低下などが起き、どうして良いかわからず自分自身が八方塞がりになったりします。なので、まずは前例踏襲で進めつつ、余裕が出てきたら少しずつ改善していく。これで充分「高い評価になる」ことを会社は伝えてあげることが大切です。無理して爪痕を残そうとしなくて良いと、伝えてあげることです。
マネジメントの形は何通りもあるから迷わないこと
抱えている課題、会社や事業のステージ、スタッフの状況、外的要因などなどあらゆる事柄が影響してマネジメントの仕方は本来変わってきます。良くマネジメントのノウハウ本が販売されています。特に海外の成功事例などに日本人はすぐ飛びつきますし、そういうことに前向きに取り組んでいるというだけで何だか良い会社のように思われるものです。
管理職として着任すると日々起こるあらゆる課題対処しなければならず混乱します。そして、本を読んですぐ取り入れようと思って失敗することが多いです。小手先の手法についつい頼りたくなってしまうのはわかります。
最後にお伝えしたいのは管理職をいきなりアサインされてうまくいくわけがないということです。そこは経験とともに改善されてくればOK。しかし、「組織を良くしたい」という「誠実さ」だけは経験していなくてもすぐ持つことが出来ます。ここだけ外さずに、前向きに取組み2〜3年でひと通りの経験を積むまでは毎日勉強だと思って前向きに経験を積むのが良いと思います。