ALL BLACKSから学ぶマインドセット
2019年日本で初開催されたラグビーワールドカップ。各国の選手たちの素晴らしい活躍と様々な国の選手たちを尊重し合うラグビーの精神、感動したのではないでしょうか。
【基本の重要性】
残念ながら優勝は逃しましたが、ニュージーランド代表オールブラックス、勝率世界一、揺るがない安定感のある試合を魅せてくれました。
通称・オールブラックス──ラグビーに詳しくなくてもその名を聞いたことがあるだろうが、漆黒のジャージをまとう彼らの強さは異次元中の異次元。なんと言っても、世界のあらゆる国に勝ち越しているのだ。一体何が不可能と思われているものを可能にしているのか、そして他国と違って何がどう秀でているのだろうか、考えていきたいと思います。
前日本代表監督のエディー・ジョーンズ氏によると、日本代表の選手はキャッチとパスができていない、と言われていたそうです。これは何かというと、走りながらパスをして走りながらキャッチすることを走っていても体勢や走路がブレるのと無く素早く行うことになります。
オールブラックスの選手のキャッチとパスは、走りながらでも真っ直ぐスピードのあるパス、自分から取りに行くキャッチ、これが他のチームより一歩早い攻撃を生み得点に繋げていくことができる理由になります。勝つためには点を取る必要があり、点を取るには早いキャッチとパス、つまり高い基礎技術のレベルが必要ということです。
またニュージーランドでは、子供のときからラグビーに親しめる環境があり、学生に対してはパスを早くしろ、などの抽象的な指導ではなく、パスは腰を45°にひねってパスするとか、キャッチは指先をボールに向けて手を伸ばすとか、具体的な指示があります。
それに加え、オールブラックスに選出されるためには20歳までにプロになる必要があるので競争意識が半端ではありません。子供のころから、練習が終わったらゴールポストにキックの練習を暗くなりボールが見えなくなるまで練習する、パスの練習を小さな的に当てる練習など、徹底的に自ら基礎練習を行い、オールブラックスもこの基礎練習は怠らないと言われています。勝つために基礎練習の重要性が理解できます。
【勝利の為に】
オールブラックスの勝利に対する考え方について、興味深い話があります。
オールブラックスが強豪国と試合した時、よく前半はリードを奪われ点差で負けているのに、後半びっくりするほど逆転しそのまま勝利する場面がよくあります。
オールブラックスは前半が終わった後のロッカールームで、後半修正する為の打ち合わせを全員で周知します。前半の良かった所悪かった所を挙げて、なぜ良かったのか、なぜ悪かったのか、分析します。そして、なぜ悪かったかわかったなら、どうすれば後半良くできるか考えます。どうすれば良くなるかわかったなら、それぞれのポジションで何をすればよいかをそれぞれ話し合って全員が自分はこうする、ということを伝え合います。
それで後半各自が修正課題を実行し勝利を現実にします。
この課題分析、課題改善、実行、する冷静な勝利の為の考え方はどんな分野でも学べることがあると感じます。