人材育成の課題解決ポイント!人手不足でも成長するための人材活用論
こんにちは。スキイキ広報担当です。
今回は、「人材育成」の課題と解決アプローチについて取り上げます。
人材育成は、企業が成長していくためには必要不可欠で、経営にも大きく関わってくる重要トピックです。
ただ、現場にフォーカスすると、「人材育成に取り組む余裕がない」「人材育成に必要な知識やスキルが不足している」「そもそも育成を担当できる人材がいない」などといった課題を抱える企業が多くあります。
本記事では、企業における人材活用・人材育成の実態を紹介すると同時に、その原因や解決のアプローチを解説。プロ人材活用と企業の成長の関係について探っていきます。
人材育成に課題を感じている方に、改めて現状見直し、今後の取り組みを検討する参考にしていただければと思います。
高まる人手不足への危機感!「8割が実感あり」の実態
まず、人材育成の前提として、人手不足の状況について改めておさえておきましょう。併せて課題とされることの多いトピックであり、実際に育成者確保にあたって関わってくる問題です。
人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』が行った「2022年の人材不足の状況」についての最新のアンケート調査によると、
人材が不足している部門があると回答した割合が82%にのぼることが明らかになっています。
コロナ禍以前の時期で特に深刻だった2019年と比較すると、割合は若干減少しているものの、依然として高まり続けている問題であることがわかります。
企業の規模別に見ていくと、従業員数が100名以上の企業は90%以上が人材不足を実感。企業規模が大きくなればなるほど、人手不足を実感しやすい傾向にあることがわかります。
限られた従業員数で業務フローを回すことになりやすい中小企業とは異なり、人手をある程度潤沢にかけて業務を回してきた大企業がここにきて、従来ほど人手を確保できず業務フローにも影響が出始めたことがあらわれているとも考えられます。
また、職種別では、営業職で28%、エンジニアで20%、バックオフィス職で13%とトップを占めており、
業務量の多さを従業員の人数でカバーしがちな職種において、人手不足を実感しやすい傾向にあることがうかがえます。
原因から探る!人手不足でも業務改善するための2大アプローチ
調査結果では、人手不足の主な原因は「退職による欠員」「中途採用で人員確保ができなかった」が上位を大きく占めており、
既存社員が企業を離れていくにもかかわらず採用できていないという厳しい状況が見てとれます。
この状況それぞれに対応する打開策は、大きくは「採用力強化」と「業務効率化」の2つのアプローチに分類できると考えられます。
1つめの「採用力強化」は、抜本的に採用戦略・方法を見直すアプローチ。
ただ、専門性やスキルが高い人材を求める競争は依然として激化しており、採用コストも比例するのが現実。
また、求職者のニーズにも応えられるようなパーパスの定義・明示や、環境改革などを実施することも有効と言えますが、即時性のあるものではなく、目の前の人手不足を解消するためのものとは言えません。
あくまで根本的な対策のひとつになりますが、詳しくは下記を参考にしてみてください。
2つめの「業務効率強化」は、人手が少なくても成立する業務体制を構築するアプローチ。業務効率化につながるよう、人材育成や業務設計の見直しをすることにより、同時に業務上の知見・ノウハウについても底上げすることになる方法です。
社内に業務効率化を推進できるマネジメント層や、育成を担務できる人材がいる場合には、人手不足解消に一歩近づきやすいと言えます。
ただし昨今では先のような人手不足の加速も影響して、適切なマネジメント層・育成者も不足している傾向にあり、そうなるとまたその採用難に直面するというジレンマに陥るので、状況にあわせて対策手段を精査する必要はあります。
人材育成者の有無がスピードを左右する!あなたの企業での解決ポイントは?
スピード感を持って人材育成および業務設計を見直し、人手不足を解消できるかどうかのカギを握るのは、育成者になり得るマネジメント層やチームリーダーの有無ということになります。
そうした役割を担える人材が自身のチームに必要なことを整理し、改善していくことで人手不足をカバーできるでしょう。
【育成者がいる場合】時間を確保し、目標設定と評価プロセスの強化がポイント!
ただし、育成者がいたとしても留意するべき課題はあります。
労働政策研究・研修機構が行なった『人材マネジメントのあり方に関する調査』によると、人材育成上の課題として、「業務が多忙で、育成の時間的な余裕がない」「上長等の育成能力や指導意識が不足している」が中堅層を中心に約6割を占めています。
【時間の不足】業務が多忙で、育成にかける時間的な余裕がないケース。
【マネジメント層の能力不足】育成能力あるいは育成意欲が不足しているケース。
【計画や体系化不足】時間や育成内容が細切れで成果になっていないケース。
【社員の意欲不足】社員のモチベーションが低く、取り組みが無駄になっているケース。
このよくある育成課題を解消するアプローチとしては、3つのポイントがあります。
1つめは、人材育成の優先度と、現状で費やせている時間を把握すること。時間も費用も有限なので、現時点で通常業務と人材育成業務の時間配分を把握し、業務の優先順位をつけることが大切です。
2つめは、職種やポジションなどのキャリアプランを明確にすること。目標設定を行うことで、今の取り組みが有意義なものになります。
3つめは、評価方法が適切か見直すこと。成果だけでなく、プロセスにも目を向けることも重要です。
【育成者がいない場合】外部の知見を取り入れるのが急務!
現状で育成者がいない場合には、即時的にその採用対策も難しい傾向も踏まえると、外部の知見を取り入れるというスタイルが欠かせないでしょう。
自社・自身のチームの課題を整理し、どのような領域の知見が不足しているかを把握できれば、その領域でハイスキルな外部人材を招くのも可能になります。
正社員採用と異なる点を挙げるとすれば、人材育成をせずとも即戦力として協働できる点。適切に現状の事業・業務課題を整理し依頼することができれば、フリーランスや副業として活躍するそのノウハウを取り入れつつ、実務もあわせて取り組んでもらうことも可能です。
一般的にイメージされるほど外部人材を活用することの負荷は大きくなく、通常の採用同様に募集を行うプロセスは必要なものの、時間的に見ても社員採用よりもスピード感がある場合が大半。
ただし前提として、外部人材の力を何にどう活かすか、つまり依頼・協働すべき業務の整理、要件を適切に定義することが重要です。人手や育成者不足という今の悩みに囚われすぎてしまい、ただ頭数として確保したということにならないようにしましょう。
外部人材活用で最も重要なのは、短期的に人手不足をリソースとしてカバーできるということ以上に、必要なノウハウや業務効率化につながる知見を得やすく、中長期的にもプロジェクトチームや組織全体の成長の土台作りに寄与しやすいという観点なのです。
事業課題の整理、また解決に必要なノウハウ・リソースを見定めるための考え方は下記の無料ワークブックにもまとめていますので、気になる方は参考にしてみてください。
人材育成・企業の成長に欠かせなくなる「外部人材活用」の選択
ここまで読んでいただいた方にはおわかりのように、人手不足や育成者不足の課題は、業種や職種の違いは多少あっても概ね同様に感じるものだと言えると思います。
ご紹介した調査データの通り、今では中小企業のみならず大手企業でもこの問題は顕在化しつつあり、個々企業単位の問題では収まらないほど深刻になっているとの見方もできるでしょう。
今後、労働人口の減少でさらに人手不足が加速していくのも確か。既に人材流動性の高まり、変化に対応するために事業に必要な専門性・ノウハウの高まりも起きており、これまでの採用戦略を見直すことは遅かれ早かれ欠かせなくなると考えられます。
昨今、外部人材としてそのスキルや経験を活かすフリーランス・副業人材も増えているという現状の中、外部の知見を取り入れるという選択をせず既存の採用の考えにとどまるのは将来的なリスクにもなりかねません。
こうした状況を、単なるピンチではなく、これまでと異なる人材戦略・業務体制づくりに踏み出すチャンス、客観的かつ新規性・専門性の高いノウハウを獲得していく絶好の機会と捉えられるかが、ビジネスを停滞させないためのカギになるはずです。
このような好機を逃さず、外部人材とうまく協働する企業こそ、成果を作り、激しい競争の中でも生き残ると考えられます。
まずは何より初めの一歩として、事業課題と業務の整理、そして現状把握から。
* * *
いかがでしたか。
人手不足が深刻化する中、課題は山積み。採用に課題があるケースや人材育成に悩みを抱えている場合もあるでしょう。
企業の長期的な成長において、人材育成は非常に重要。
育成者がいないという理由で諦めるのではなく、「いかに外部の知見を取り入れるのか?」という視点を持ちながら、業務整理をし、外部人材活用を検討してみてはいかがでしょうか。