知的障害(長男の場合)について
私の記事を読んでくださっている方の中には、知的障害について全く知らない方もいると思うので、その方達に向けて少しでも「知的障害」について知ってもらおうかなと思ったので、長男を例に出してみます。
長男は小学校の支援級にいる、小学3年生です。
療育手帳(知的障害児手帳)の判定はB2(軽度)になります。
4 + 2 =
65 + 3 =
189 + 76 =
685 - 195 =
5 × 9 =
39 × 7 =
57 × 25 =
656 × 48 =
これは解けます。
赤色のサイコロ2つと青色のサイコロを振って、赤いサイコロの出目を掛け算した後、青いサイコロの出目を足す…というのも出来ます。
でも
砂場に、男の子が3人、女の子が4人います。
そこへ、男の子が2人、女の子が1人やって来ました。男の子は全部で何人?
これは解けません。
3 + 2 = 5 は出来ますが
「この問題は 3 + 2 をすれば良い」という理解は出来ません。
しかし、少し問題を少し変えると出来るようになります。
まず、男の子と女の子を、犬と猫に変えます。
(牛と虎でも良いし、黒猫と白猫でも良いです)
そして、問題文を絵にします。
すると、解けるようになります。
絵にするとわかりやすいのは我々も同じですよね。
しかし、知的障害で無いなら、成長と共にこのレベルの問題だと文章だけでも解けるようになりますが、知的障害のある長男の場合は、出来るようになるとは言えません。
もちろん、出来るようになる「かも」しれませんが、障害がない他の子達が苦労せず(したとしても記憶に無いはず)クリア出来るこのレベルの事にも、必ず「かも」が付きます。
これは
知的障害を見下してる訳でも
知的障害に絶望してる訳でも
健常児を羨ましいと思っている訳でもありません。
障害のない子を持つ親御さんが
「この子は将来プロスポーツ選手になるかもしれない」
と、思うくらいの気持ちで、私は
「長男は将来、この問題を文章だけで解けるようになるかもしれない」
と、思ってるって事です。
そしてこれは「出来るようにならなくても別に良い」と同義です。
「子供に期待するな」とは言いませんが、人はどうしても「自分が出来る事」は「子供も出来て当然」だと思ってしまうものです。
そこまで思ってなくても、仮に子供が出来なかった時、ほぼ間違いなく落胆するはずです。
「自分が出来ない事」だったら、ガッカリはしても「よく頑張った!」って気持ちの方が勝つと思いますけど。
私はあの文章題が解けますので、長男に期待している場合、掛け算が出来る長男があの文章問題を理解出来ない事にイライラする筈です。
あなたは他人に対して「良い大人が何してんねん」と思った事は無いですか?
この話の根っこは、そのイライラと一緒です。
「出来て当然」は、「自分が出来る(と、思っている)」からです。
知的障害「児」に対しては、そのイライラをぶつけられるケースは少ないです。
周りの大人には「子供だから出来なくて当然」と思ってもらえます。
なので、子供の時は親からの虐待だけが目立ちます。
でも、知的障害「者」は、そのイライラをぶつけられます。
視線・言動・態度等で。
そしてそのイライラを、障害度合いが「軽度」であればある程感じ取ってしまい、悩み苦しみます。
これがわかっているから、私は「中度」の次男よりも「軽度」の長男の方が心配でなりません。
なので、知的障害者と直接接点の無い方にお願いです。
他人に、そしてたまに出会う知的障害者に「出来る」を期待しないで下さい。
もちろん、知的障害では無いあなたなら出来ますよね?……と、通じる事を期待しながら言ってみる(笑)
二人の障害児の父
すけじろう
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