未来に残す「べき」風景
みなさんは「原風景」と聞いて何を思い浮かべますか?
私は、自分が幼少期に行った公園、駄菓子屋、お地蔵さん…などを思い浮かべます。
人の心の奥にある原初(一番最初)の風景。
ネットで調べると原風景とは上記のような解釈のようです。
人の心の奥にある…というところがポイントで、いま私たちが見ている目の前の景色は往々にして「原風景」ではないことが多そうですね。
私は、未来に残したい風景、それは「原風景」だと思っています。
原風景を体現したかのような場所
静岡県藤枝市にある水車むらは、いろんな人の原風景に近しい風景が残っています。名前の通り「水車」があったり、お茶の工場が残っていたり、何より母屋は茅葺屋根の古民家に囲炉裏があります。
もしかしたら先ほどの質問で、「私の原風景はもう再開発でなくなってしまった」「道路拡張で全く違う姿になってしまった」という人もいるかもしれません。
そんな皆さんが、もしかしたら心の奥底にある風景に近しい形式を見られるのが、ここ水車むらかもしれません。
水車むらは、かつて本当に水車がたくさん回っていて賑わいのある町だったようです。藤枝市の山間にあり、いまでは民家も少なくなり、人の賑わいはやや落ち着いてしまっています。だからこそ、そこにはかつての風景が残っています。
中山間地域や過疎が進んでいる田舎町は、いつも、風景の保存・伝統の維持と人が来ないことによる観光資源の開発等のはざまにいます。人を呼び込むには何かしらコンテンツが必要だし、それを作るといまある景色は維持できるか不安、、そんなとても微妙な状況にあると思います。
私が水車むらに行って、体験して思うのは、原風景こそコンテンツになりうるのではということです。そこに広がる、懐かしい風景こそ、唯一無二その場所の資源なのではないかと思います。
何か特別にレジャーコンテンツがあるわけではないけれど、昔ながらの体験と、昔ながらの景色が広がっていることのありがたみ、そこで得られる五感を響かせる体験が、私の残したい、いや、残すべき風景だと思います。
水車むらに限らず、きっと日本全国どこにでもあるでしょう、守るべき景色。人を呼び戻しつつ、関係人口を維持しつつ、その景色を守るための活動を水車むらでは行っています。
いつかこの取り組みがよいサンプルケースとなって、全国各地にある「残すべき風景」の役に立てるように、トライアルを重ね、発信していきたいと思います。
皆さんの原風景を一緒に守りましょう。
そして、残したい景色こそ、最高のコンテンツになると自信を持ちましょう。
水車むらに来てみたいという方はぜひこちらのHPやフライヤーをご覧ください。同じような取り組みをしている方も大歓迎!課題を共有しあって一緒にそれぞれの地域を守る取り組みしてみませんか?