空を見上げて(ショートショート)
(画像:pixabay)
こんにちは、彗星です。ショートショートを投稿します。連載が1ヶ月?いや2ヶ月ぐらい放置されているのですが、最近動き始めました。これの後で投稿します。
私はいつも空を見上げる。私は空で行われる壮大なショーの虜になっている。
例えば夕方。その日は晴れだったが、その空はだんだん暗くなってくるにつれ、西の方が赤く輝いていく。その空のイルミネーションが魅力をはなち、顔を背けようにも背けられないのだ。そこには静かに、邪魔しない様に黒い鳥が飛んでいた。
昼に見る空もとても綺麗である。ほとんど曇っていたその日、空に見える白く暗いその綿の間に見える透き通った青は私を惹きつけ、離さなかった。遠くで雷鳴が鳴っていた。
夜、地べたに寝転がり空を見上げると、1つ2つ、ゆっくりと美しく、そして儚く瞬いている星々が見えてきて、私に会いに来る。そこから先などがない様に見えて、しかし果てしないその空間を思わせる暗い空は見飽きることがなかった。私からは見えない下の星々は、人の光に遮られていた。
だがその時はいきなりやってきた。
夕方には鳥たちが空中に群がり、見えなくなった。
昼には単調な灰色1色の雲だけが空を覆い、時に雷が落ちるだけだった。
夜には人の光によって3等星どころか月まで消えた。
しかし私は一息つくと、双眼鏡を手に持って鳥と雷と人を観察し始めた。