以前に#100「巷で噂のChatGPTを調べ物に使ってみたら…(1)」、#101「巷で噂のChatGPTを調べ物に使ってみたら…(2)」において、ChatGPTを使っての調べ物を試しましたが、少し時間がたったので、変化があるかと思い、再度試してみることにしました。
質問は前回と同じく「著者の経歴について」、「大阪府選出の貴族院議員について」、「久保田真吾が地方名望家として果たした役割について」、「深瀬和直の来歴と業績について」と同じ質問を設定しました。同じ質問をすることで、時間を経たことによる変化を確認してみましょう。(今回の調査は2023年11月16日に実施しました。その後に同じ質問をした場合には回答内容に変化があるかも知れないことを、あらかじめお断りしておきます。)
まずは、「著者の経歴について」です。回答は下記のとおりです。
前回の回答では、何が何でも著者をギタリストにしたてあげるような回答でしたが、今回は「判らない」という回答になっています。以前にも記しましたが、著者の名前は字使いなども少し変わっているので、ネットで検索すると本人の情報しか出てこないという状態です。新聞などに掲載された情報などもあるので、簡単な略歴などはネット上からも拾える状態ですが、「広く公に知られていない」という判断をしたためか、ネット上にある情報も拾ってきていない回答になっています。
次に「大阪府選出の貴族院議員について」の回答です。
こちらは前回は”トンデモ回答”でしたが、今回は「判らない」という回答になっています。一応こちらもネット上にはさまざまな情報があるので、それを拾ってきていない回答になっています。
続けて、著者の調査対象である、大阪府最初の貴族院多額納税者議員の久保田真吾について、「久保田真吾が地方名望家として果たした役割について」の回答です。
こちらの回答も「判らない」となっています。普通にネットで検索すると、同音で別表記のミュージシャンの情報が多く出てきますが、そちらは拾ってきませんでしたので、正しい選択をしています。
さらに続けて、こちらも著者が調査対象としている、大阪府で郡長職を長く務めた深瀬和直についての質問で、「深瀬和直の来歴と業績について」の回答です。
こちらは前回同様に現代の企業の役員としています。前回も記載しましたが、調べた限りでは、その企業に「深瀬」や「和直」という姓や名の役員はいませんでしたので、一体どこからこのような情報を作り出してきたのかは不明です。
因みに、今回、もう一つ質問をChatoGPTにぶつけてみました。歴史上の人物で誰もが知っている「織田信長」について、その「生涯についての要約」をさせてみました。その回答が下記のものです。
織田信長の生涯について、概ね通説的な生涯の要約を回答として出しているのですが、一か所、「森蘭丸(豊臣秀吉)」、つまり森蘭丸=豊臣秀吉である、というとてつもない間違いを含んでいます。さすがに森蘭丸=豊臣秀吉という情報は”トンデモ本”や創作物ではない限り、そのような記載をしている書籍はないでしょう。
前回も記しましたが、今回試してみた結果としても、”トンデモ回答”が減少した様子はうかがえましたが、まだ調べ物学習などには使用するには非常に危ない代物であるということが、今回も確認出来たといえるのではないでしょうか。
下記の記事のように、使用出来る情報の幅を広げていっていることは間違いないでしょうが、現在のところでは、まだまだ参考にするにも誤った情報が含まれている可能性があるため、その”誤りが判っている人”にしか危うくて使用をお勧め出来ない状態であるといえます。