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短歌

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#短歌

うたの日に出した短歌99

うたの日に出した短歌99

10/22 題「ぶれ」
掃除しに息子の部屋へ ゴミ箱を見ると書き損じたラブレター

10/23 題「盗」
泥棒に盗まれたんだと思いたいほどに口座がすっからかん

10/24 題「絡」
複雑に絡んだ自律神経を解けないまま夜が更けていく

10/25 題「鍵」
宝物に鍵掛けてしまっといたのにその鍵を入れた箱の鍵がない

10/26 題「魚」
誰からも好かれたいのにうっすらと嫌われている君という魚

自動短歌4

自動短歌4

サインイン 君の心のパスワード「Password」ってガバガバすぎる

胴体がひしゃげた歯磨き粉チューブ 手首にスナップ効かせていく

この世の全てを持っている人がモスバーガーに忘れた日傘

自動短歌3

自動短歌3

ハックション ツボからは遠藤憲一 好きな野菜を教えてくれた

ポケットの変な形の膨らみでプロポーズされることを悟る

このホテルあまりにシャワーが弱すぎるマーライオンの量しか出ない

自動短歌2

自動短歌2

バイバインの蓋の締まりが甘かった どこでもドアが64台

ヤクルトとキムチとヨーグルトを食べて乳酸菌の蠱毒が始まる

キウイもさ永久脱毛したいよな露出が増える季節の前に

パンケーキのもちもちクッション抱き潰す 大事なものは潰さないため

うたの日に出した短歌98

うたの日に出した短歌98

10/17 題「誤魔化」
もうずっと消えてしまいたい気持ちを誤魔化してきた人生でした

10/18 題「梢」
「消す」のさんずいを木へんにした漢字という説明をしてきた人生

10/19 題「自転車」
自転車で見知らぬ街へ 膨張する宇宙 どこまでも遠くへ行く

10/20 題「脱」
次々と脱がされていく籾殻をぼーっと見ながら過ぎる土曜日

10/21 題「イタリア」
東京駅 特急ときに飛び乗って新潟

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うたの日に出した短歌97

うたの日に出した短歌97

10/12 題「汁」
費用対効果がちょっと低いので灰汁取り作業は今日から廃止

10/13 題「揺」
君が笑うたびに揺れるイヤリング 冷やしトマトきらきらひかる

10/14 題「放」
君が放つビーム当たれば誰彼も無性にカレーが食べたくなる

10/15 題「瀬」
テーブルの瀬戸内みかん光あれ リビングの闇に吸い込まれてく

10/16 題「好きな体位」
心臓が痛い 息が上手く吸えない 回復体位ど

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うたの日に出した短歌96

うたの日に出した短歌96

10/7 題「追」
液晶をじっと睨んで米5キロの行方追跡する日曜日

10/8 題「旅」
やけにでかい旅行かばんを乗せて山手線はぐるぐる回る

10/9 題「特」
昨日まで変哲もなかった道が今日は特別眩しく見えた

10/10 題「自由詠」
秋はいつも急にふらっと現れて死に体のスイカフラッペ残る

10/11 題「十」
君が十数えてパンと手を叩く そしたら全部霞になるよ

うたの日に出した短歌95

うたの日に出した短歌95

10/1 題「有/無」
ネットでは嘘と真が混ざり合う 敢えて見上げる無月の空

10/2 題「慰」
ただ酒を飲みたいだけの上司らに引き連れられて慰労会へ

10/3 題「晴」
1Kに半額シールと発泡酒 晴海埠頭の先にある光

10/4 題「好きな都市」
絶望も希望も全てがあるけれど富士そばだけがない錦糸町

10/5 題「好」
好きな物は好きと言える人でいたい モスでひとりごつ ティーサングリア

うたの日に出した短歌94

うたの日に出した短歌94

9/26 題「長」
ミルクプリン 秋の夜長の寂しさの緩衝材としてひとすくい

9/27 題「鈴」
心ここに在らず 半開きの君の口に鈴カステラを放り込む

9/28 題「土」
ズムサタを消して会社に行く俺はこの世の全てを殺す目でいる

9/29 題「肉」
胃に穴が空きかけている ミノハチノスセンマイギアラ全部焼いて食う

9/30 題「月」
長い夜の寂しさ全部混ぜて焼く満月のようなホットケーキ

うたの日に出した短歌93

うたの日に出した短歌93

9/20 題「書」
書は人の心を映す 虚勢だけ1人前で気が小さい字

9/21 題「欲」
欲張ってフラッペにする クリームと甘ったるさで辟易とする

9/23 題「紅葉」
天ぷらを食べてから私の中で紅葉狩りの意味が変わった

9/24 題「自」
各々の自由帳をば開きたる 四角四面の自由が並ぶ

9/25 題「落」
あの木から最後の葉っぱが落ちたとて君は死なない 盲腸取れたし

自動短歌

自動短歌

雨の夜の鍋焼きうどん 君だって正しい冬を送りたいはず

カクテキにクローズアップ それなのにうさみみカチューシャが邪魔をする

脱衣所でニキビを潰す 鼻歌に渡辺美里のマイレボリューション

いちごパイの断面を見て 土星にはすき家の研修施設がある

うたの日に出した短歌92

うたの日に出した短歌92

9/13 題「甘党短歌」
かなしみはこいめのカルピスにとかしてあしたがこないようにいのるの

9/14 題「辛党短歌」
風邪気味の時こそ辛いラーメンを 私がいじめるのは私だけ

9/16 題「赤」
赤すぐり 君は俺にはまぶしくて目さえまともに見られなかった

9/18 題「月」
いつだって笑顔のあなた目の奥は冷たく暗い月のような人

9/19 題「読」
目の前の世界のつまらなさとかを本読む時だけ端

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うたの日に出した短歌91

うたの日に出した短歌91

9/8 題「バス」
殿様になった気分を味わえる一番後ろの真ん中に座る

9/9 題「九」
廊下には2年生の声が響く 7の段でみなつまづいている

9/10 題「自由詠」
数時間前の雨の匂い運ぶ エレベーターはタイムカプセル

9/11 題「梨」
涼むため入った駅のスーパーででかい梨ひとつ買って出ていく

9/12 題「柿」
年の暮祖母が毎年大量にくれる干し柿 指まで美味い

9月22日平和園にて

9月22日平和園にて

麻婆のとろみがどんどん消えていく それもひとつの醍醐味と思う

中華鍋から上がる火柱 網膜に焼き付いた赤 離れずにいる

人がみな旅に出るのは世界中に帰るとこを作るためだと思う