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記事一覧
うたの日に出した短歌94
9/26 題「長」
ミルクプリン 秋の夜長の寂しさの緩衝材としてひとすくい
9/27 題「鈴」
心ここに在らず 半開きの君の口に鈴カステラを放り込む
9/28 題「土」
ズムサタを消して会社に行く俺はこの世の全てを殺す目でいる
9/29 題「肉」
胃に穴が空きかけている ミノハチノスセンマイギアラ全部焼いて食う
9/30 題「月」
長い夜の寂しさ全部混ぜて焼く満月のようなホットケーキ
うたの日に出した短歌93
9/20 題「書」
書は人の心を映す 虚勢だけ1人前で気が小さい字
9/21 題「欲」
欲張ってフラッペにする クリームと甘ったるさで辟易とする
9/23 題「紅葉」
天ぷらを食べてから私の中で紅葉狩りの意味が変わった
9/24 題「自」
各々の自由帳をば開きたる 四角四面の自由が並ぶ
9/25 題「落」
あの木から最後の葉っぱが落ちたとて君は死なない 盲腸取れたし
うたの日に出した短歌91
9/8 題「バス」
殿様になった気分を味わえる一番後ろの真ん中に座る
9/9 題「九」
廊下には2年生の声が響く 7の段でみなつまづいている
9/10 題「自由詠」
数時間前の雨の匂い運ぶ エレベーターはタイムカプセル
9/11 題「梨」
涼むため入った駅のスーパーででかい梨ひとつ買って出ていく
9/12 題「柿」
年の暮祖母が毎年大量にくれる干し柿 指まで美味い
うたの日に出した短歌90
9/3 題「臭」
東京は夜中でもずっと明るい 匂いもあれば臭いもある
9/4 題「櫛」
絡まった髪の毛雑に櫛で梳く 手持ちの時間はけっこう短い
9/5 題「秋」
秋はもうすぐそこにいる 目を離すな 離せば最後すぐ見失う
9/6 題「黒」
白が200あれば黒も200あり 白黒の街がこんなにカラフル
9/7 題「蜻蛉」
あの頃はただの蜻蛉玉でさえ俺にとっての宝石だった
うたの日に出した短歌89
8/29 題「投」
どちらとも逸れた道を正せぬまま高架下で投げる変化球
8/30 題「目」
君の目は俺の全てを見透かしてその上全てを赦すような目
8/31 題「やで」
君は変 ヤマダ電機をヤデンと呼びマクドナルドをドナルドと呼ぶ
9/1 題「用」
夜中じゅう用もないのに電話する この世でいちばん楽しい時間
9/2 題「靴」
赤い靴履いたあの子と三日三晩ひたすらジルバを狂ったように
さよなら三角またきて四角
地球の裏 遠きンジャメナとンゴロンゴロ保全地域に思いを馳せる
私がるーるるるると呟くはキツネ呼ぶ時としりとりの時
それぞれの地元独特のルールがありルビーの後のいちごをよしとする
リンゴ食べたゴリラがラッパをひと吹きしパンダは団子にゴマをひと振り
黒いマント翻し歩く殿様も楽しみにしてる今年の祭り