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読むのもしんどい。「書くのがしんどい」(著:竹村俊助さん)

付箋を貼りたい、マーカーをひきたい。

そう思って付箋を買ってこさせる本だった。

私は今まで本に書き込みやマーカー、付箋や端を折る(本の端を折ることをドッグイヤー(犬の耳)ていうの本当におもしろい!)などをしたことがない。

きれいに読まなきゃな、と思ってしまう。
今までしたことがないことに抵抗がある。

この本を読んでいて、
「ああ、ここはもう一度しっかり頭に叩き込んでおなかに入れたい」
(熟読して自分の固定の考え方にしたい)
という箇所がいくつもあった。
何度も読めばいいけれど、「動作」「行為」をすることで「重要なことだ」と体でも錯覚して覚えることができる、と何かの勉強本で見たことがある。

いくつか抜粋すると、
・雑誌を作る気持ち、講演会をする気持ち
・ネガティブ感情は「昇華」しておもしろいネタにする
・メモをたくさんとろう
・ひとつずつ伝える(ひとつずつ渡す)
・成分と効能
・「企画」「取材」の考え方
・「読む速度」と「理解の速度」

「書くのがしんどい」(著:竹村俊助さん)

特にこの「雑誌を作る気持ちで」「講演会をする気持ちで」というものは、
なるほどなぁ、と心を打たれた。
「それを書いて、何人集まってくれる?」と自分に問いかけてみる、というのは「たしかに」と納得させられるものだ。

職場にポケモンが大好きでイラストがうまいかわいい女の子がいる。
彼女が「今後の経済について」という講演会をする、雑誌を作るとしても行きたい、見てみたいとは思わないけれど、
「モンスターをかわいく描く方法」という講演会をする、雑誌を作るとすれば行きたい、見てみたいと思う。

やね斜裏、日常を考える

私にとっては何かな? 考えてみたい。


この本について、総評は
「参考にしたいところが多すぎてしんどい」だ。

ライターの自分と、編集者の自分がいて、
編集者の自分に「ライター好き勝手甘やかしすぎじゃない? こうした方がいいよ」と言われているような感覚。
「わかってるよ!!!」
編集者の私はライターの私が大好きだ。ファンだ。
ノッているもの、私にだけわかるおもしろ構文は原文ママ載せたい。

好き勝手させてあげたい。
だから、読むのがしんどかった。

ライターの彼女を伸ばしてあげたいから、彼女の中に渦巻く感情的な言葉を、できるだけ情緒を失わないように整えてあげなければならない。
そうしなければ、彼女が日々綴っている非公開の日記メモのような支離滅裂なものが出来上がってしまう。
(相変わらず「いいね」のようなものが日々つく)
やりすぎるとつまらなくなってしまう。

ライターの私はメンヘラ彼女のようなものだ。
「うァ…ッまぢムカつく、ぁりえなぃ! サイテー…切ろうかな」
これを、編集者の私がインタビューして、
「いいねいいね! 何にどんな風にムカついたの? それおもしろく例えてみよっか? どんなことを「あってはならないこと」だと思った? 問題定義してみる? ゆっくりひとつずつ解説して? 今どんな気持ち? 具体的に教えて? えっ何を切るの? それを聞いた人はどう感じると思う? もうちょっと詳しくおねえさんに話してみて?! 最後に一言どうぞ!」
とウザ絡みして書き直す。うるせぇ~~~。

私は原文ママのものも、その場の衝動や情緒があふれていて好きだ。
ただ何が言いたいかは、察するしかない…いやサッパリわからん!
誰かに伝えるには、このままではいけない。
エスパーで人の気持ちや考えが読める人以外には、言葉にしなければ伝わらないのだ。


エディター…
「さっぱりようわからんもの」「日常にあふれたささいなこと」
「どれだけつまらんもの」「どれだけネガティブなもの」でも、
砕いて切り貼りして、珍しくて愉快でおもしろくしてしまう。
もしかするとこの世のおもしろいもの全ては編集なのかもしれない。


よく見れば「編集者」の方が書いた本だった。
今まで感情を爆発させて徒然書きなぐっていた自分にとって、
そりゃあ読むのがしんどいわけだ。

とても、とても参考になった。
私の中の「おもしろエモ系編集者」の私も育てていこうと思う。
斜め裏をいく独自の視点で切り取りたい。
わたし、一緒に仲良く楽しんでこーぜ!
やね斜裏は新しいスキルLv.0.5を習得した。


このところ様々な文章術(…?)の本を読んでいる。
その中で、「誰にでも使える楽な文章術はない、私は様々な術を知って好きなものを選んで使う」が私の中で結論付けられようとしている。

この本で、私の「書くについての哲学note」に加えるとすれば、
「好き勝手無邪気にメンヘラ彼女が書く」と「それを真面目に不真面目にマネジメント、編集する」はわけて考える、かな、と思う。

ペルソナをつけたり外したりするのは得意だ。
さそり座のAB型だから(?)

読むのも書くのもしんどぃ、まぢ病む。



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